祖国解放に人生を捧げた7人の独立運動家が眠っていながらもそれに相応しい注目を集めていたとは言えないヨンサン(龍山)区の「ヒョチャン(孝昌)公園」(総面積16万924㎡)が、2024年に「独立運動記念公園」として生まれ変わる。
歴史性を回復すると同時に、長きにわたって様々な施設が建てられては老朽化しているため住民に見放され、市民にあまり利用されない空間となっている「ヒョチャン(孝昌)公園」の本来あるべき姿を取り戻すという計画だ。
「現在のヒョチャン(孝昌)公園内の施設状況」
- 墓域(史跡)
- – キム・グ(金九)墓域(1949年)、三義士(イ・ボンチャン(李奉昌)、ユン・ボンギル(尹奉吉)、ペク・チョンギ(白貞基))墓域(1946年)、臨時政府の要人(イ・ドンニョン(李東寧)、チャ・リソク(車利錫)、チョ・ソンファン(曺成煥))墓域(1948年)、アン・ジュングン(安重根)仮墓(1946年)、義烈祠(史跡第330号、1990年建立)
- 主な施設
- – ヒョチャン(孝昌)運動場(1960年)、ペクポム(白凡)記念館(2002年)、大韓老人会(1972年)、ソウル市老人会(1979年)
- その他の施設
- – ウォンヒョ(元曉)大師銅像(1968年)、反共の闘士慰霊塔(1969年)、ユク・ヨンス(陸英修)女史功徳碑(1975年)、子どもの遊び場など
公園と地域社会を隔てていた塀をなくし、周辺の歴史・文化の拠点を有機的に連結する。ヒョチャン(孝昌)公園北側には、悲痛な時代に民族の魂を刻印させたスポーツの英雄、ソン・ギジョン(孫基禎)選手を記念して「ソン・ギジョン(孫基禎)体育公園」が2020年6月に竣工予定だ。
ソウル市は、大韓民国臨時政府樹立(1919年4月11日)100周年に先立って、「ヒョチャン(孝昌)公園100年公園構造案」を発表している。
ヒョチャン(孝昌)公園の新しい空間構想方針は、▴ヒョチャン(孝昌)運動場はクリエイティブな計画をもとに、フレキシブルな「多層的空間」として、▴独立運動家7人の墓域は「日常の中の聖なる場所」として、▴周辺地域は「拡張された公園」の概念のもとつなぐというものだ。これを通して「閉鎖的で静的な」空間だったヒョチャン(孝昌)公園を、「共に記憶する、開かれた」空間として変えていくことが目標だ。
第一に、ヒョチャン(孝昌)運動場はクリエイティブな計画によってリモデリングを推進する。ただし、一部の撤去などが必要な施設に対しては、体育界などの意見を収集して決定する計画だ。
第二に、独立運動家の墓域は参拝客中心の剥製されたような空間ではなく、訪問客と市民が気軽に訪れられる日常の中の追慕空間となる。厳粛さと整然さを保ちつつ、アクセスを改善して、日常の聖なる場所へと転換する計画だ。追慕と日常が共存するドイツの「ユダヤ人虐殺追慕公園」、ショパン、オスカー・ワイルド等の有名人が葬られたパリの美しい都心公園「ペール・ラシェーズ墓地」のような空間にすることが目標だ。
第三に、公園の境界を越えてソン・ギジョン(孫基禎)体育公園、植民地歴史博物館、イ・ボンチャン(李奉昌)義士記念館、キョンイ線森の道、スンミョン(淑明)女子大学校など周辺にある拠点との連結、地域社会と共存する公園として空間的範囲を拡大する。ヨンサン(龍山)区の「ヒョチャン(孝昌)100年ギル造成事業」と連携して、地域社会と公園を断絶していた閉鎖的な塀をなくし、花壇や芝生を通り過ぎると自然に公園へ入れるようになる。
特に、2020年6月にリニューアルオープンする「ソン・ギジョン(孫基禎)体育公園」は、ヒョチャン(孝昌)公園北側から徒歩15分の距離に位置する、独立の歴史の中でスポーツに携わる者が発揮した抗拒精神を記念するまた新たな公園だ。
このヒョチャン(孝昌)公園構想(案)は確定されたものではなく、今後の具体的な論議のための下絵だ。最終計画案は、ソウル市、関連部署、協会、住民等が参加する「ヒョチャン(孝昌)独立100年フォーラム(仮称)」での討論会など、対市民公論化の過程を経て決定される。
ヒョチャン(孝昌)公園
現在のソン・ギジョン(孫基禎)体育公園 |
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ソン・ギジョン(孫基禎)体育公園の鳥瞰図 |
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