- バイオ医療創業支援のコントロールタワー「ソウルバイオハブ」3棟が完工…企業成長を手助けする支援に本腰
- 5日(火)、ソウルバイオハブ「地域ヨルリン棟」の開館式…パク市長や大学・病院・企業などの関係者が参加
- 第2段階本格稼働…BT・IT融合センター、グローバル協力棟など順次造成、「強小研究開発特区」の指定
- 主要9病院や5つのバイオ産業協力団体が参加し、産官学の協力体系づくりに関するMOU締結
ソウル市が未来成長産業として構想中のバイオ医療産業の中心拠点「洪陵(ホンヌン)バイオ医療クラスター」の第1段階が完成した。ソウル市はバイオ医療の創業支援コントロールタワー「ソウルバイオハブ(東大門(トンデムン)区回基(フェギ)路117-3)」の3棟が完工し、バイオ医療産業育成に向け本腰を入れると発表した。
教育やコンサルティングなどスタートアップの成長と事業化を支援する「産業支援棟(2017年10月)」、研究開発を支援する「研究実験棟(2019年4月)」に次ぎ、協業とコミュニケーションのための「地域ヨルリン棟」が11月5日(火)に開館する。
ソウル市は第2段階として、2020年まで「BT・IT融合センター」を、2021年まで「グローバル協力棟」を、そして2024年までには「先端医療機器開発センター」を順次造成する計画だ。この計画が実現すれば、1960年代の韓国経済をけん引した洪陵がバイオ産業の前哨基地になると見込まれている。
ソウル市は11月5日(火)、「地域ヨルリン棟」の開館式を行った。パク・ウォンスンソウル市長を含め、大学や病院、研究所など洪陵の関係機関、グローバル企業、バイオ産業団体などおよそ200人が参加し、開館祝賀行事や企業入居歓迎式が開かれた。
ソウルバイオハブは、洪陵クラスターの中核施設として、創業5年以下のバイオスタートアップの創業を支援する空間。ここにバイオ医療関連のスタートアップ67社が入居する。現在、研究開発やコンサルティング、投資誘致など事業のサイクル別にきめ細かな支援プログラムを運営しており、大学や病院、研究所、地方クラスターなど関係機関との協力を通じて、バイオ創業の生態系づくりの中心的役割を担っている。
ソウル市はジョンソン・エンド・ジョンソンやノバルティス、MSDなどグローバル製薬会社の「パートナリングオフィス」をソウルバイオハブに誘致するとともに、バイオ医療分野の優れた技術を保有する韓国企業を発掘し、コンサルティングやメンタリング、海外進出を支援するなど協力モデルを作っている。
今回開館する「地域ヨルリン棟(*ヨルリン:開かれた)」は、延べ面積3,113㎡、地下2階・地上4階規模で、①企業入居及びコーワーキングスペース、②科学図書館、③カンファレンスホール、セミナールーム、休憩空間などで構成されている。
ソウル市は、洪陵バイオ医療クラスターの第1段階インフラのソウルバイオハブ3棟の完工に続き、第2段階インフラの造成にも拍車をかけている。今後洪陵一帯に、①BT・IT融合センター(2020年)、②グローバル協力棟(2020年)、③先端医療機器開発センター(2024年)など、段階別の企業入居空間を拡大し続け、ソウルバイオハブを卒業した企業が洪陵を拠点に事業安定を図り持続的に成長できるよう支援を行う計画だ。
また、洪陵一帯を「強小研究開発特区」に指定(2019年9月申請)し、円滑な企業活動のための規制改善や制度づくりに集中する計画だ。特に市は、最近選定された「洪陵経済基盤型都市再生ニューディール事業(2019年10月)」の施行により、バイオ産業支援インフラの充実や定住環境改善事業などと連携することで、洪陵地域がソウルバイオ医療産業の拠点に生まれ変わるにあたってより弾みがつくだろうと見込んでいる。
パク市長は「ソウル市は未来産業のひとつとしてバイオ医療産業に注目し、関連スタートアップの活発な立ち上げと研究開発が行われる前哨基地として洪陵バイオ医療クラスターを造成してきた。その第一歩がソウルバイオハブ3棟の完成だ。教育やコンサルティングから研究開発、協業、コミュニケーションなどに至るまで総合的な支援が本格的に展開される。これから第2段階を稼働させ、1960年経済成長のゆりかごだった洪陵をバイオ産業の中核地域として育成していきたい」と話す。
ソウルバイオハブ鳥瞰図
地域ヨルリン棟