「2013年小水力発電所設置事業」が本格的に推進される。この中で、配水される水が落下するときのエネルギーを利用して発電させる小水力発電施設が、韓国で初めて鷺梁津(ノリャンジン)配水池に設置される。
ソウル市は、2013年から小水力発電機(用量360キロワット)1基を鷺梁津配水池の流入管路に設置する。これによって740世帯の1年間の電力量に相当する268万キロワットの電気が生産でき、年間565TOEの代替エネルギー効果が得られる。
また同市は、2012年9月に、韓国最大級の発電会社である韓国水力原子力株式会社(以下、「韓水原」という)と再生可能エネルギーへの投資開発に関する了解覚書(MOU)を締結し、公共施設を利用して小水力発電の開発が可能な施設の合同調査を始めた。韓水原は2015年までに車両基地や水再生センターなどソウル市傘下の公共施設に計7,900億ウォン規模の燃料電池、太陽光、小水力などの再生可能エネルギー生産施設を設置して計160MWの電力を生産する計画である。このうち小水力による発電量は10MW規模で約1,000億ウォンの予算が投入される。
韓水原は、施設に最先端設備を導入するとともに、エネルギー効率をより高められる設備を設計し、再生可能エネルギー生産施設の代表的な模範事例を作る計画である。ソウル市側は、公共施設の使用及び許認可の手続きの簡素化など、行政として積極的に支援し、韓水原の事業推進の円滑化に助力するなどして小水力発電の活性化に協力する。
ソウル市内の河川は、自然落差が大きくない反面、流量は豊かであることから、既存の小水力発電設備をそのまま設置することは不可能である。そこで、低落差でも経済性の高い技術開発が必要であるという意見が出ていた。低落差高効率水力発電設備の技術を確立し、ソウル市の各所で小水力を資源として活用すれば、鷺梁津配水地の小水力発電所をはじめとする「原発を一つ減らす」事業の小水力発電量の目標(2014年に1,250キロワット)を無理なく達成できるのではないかと期待されている。