探索する。
「くまなく探り調べる」
MERSによって荒廃した日常のありのままの姿を見ました。わずかの加減もなく、ここから始めようと思います。現場には問いも答えもあります。現場の声に耳を傾けることから始めようと思います。
地域社会にMERS感染を食い止めるために医療機関を閉鎖し、再開したメディヒル病院の院長の「公共がすべきこと」という言葉を思い出します。
「コホート隔離施設に隔離された入院患者は退院することもできず、家族と離れて過ごすことを余儀なくされました。そんな方々から入院費を徴収しても良いのでしょうか。うちは一時的に病院側で負担しました。隔離期間中の入院費を払ってくれとはどうしても言えなかったのです。ところが、政府からMERS治療以外の入院費は支給できないといわれました」
民間の病院長が公益を優先させているのに、私たちは書類と数字だけに目が行き、優先すべき公益を忘れているのではないでしょうか。
今はもう完治した5人目の感染者が運営するカンドン(江東)365ヨルリン病院が商店街にあるという理由だけで客足が途絶えたカンドン(江東)ベネシティ商店街の方々は、切羽詰ったようにこう話していました。
「客が全く来ません。私たちもMERSの犠牲者です。ビルの所有者が賃料を下げてくれるとか、私たちの心を癒してくれるイベントを企画してくれるとか、何らかの措置が必要です。明日食べるお金はあるか心配なのに、ソウル市や政府の支援金は申請してから支給されるまであまりにも時間がかかり過ぎます。政策は私たちの思いとあまりにもかけ離れています」
ソウル市が所有する建物のレンタル料・賃貸料を確認し、ソウル市も苦痛を分かち合えることはできないか検討いたします。
早期閉鎖で地域住民から激励と声援を受けているカンドン・キョンヒ(江東慶熙)大学病院の看護師の訴えを聞き、自分自身が恥ずかしくなりました。
「自分なりに信念と誇りを持って業務に臨んでいます。でも、私の子どもが通う教育機関から一緒に住んでいないことを証明する必要があるといわれ、ワンルームの部屋を借りて寝泊りしています。悪いことをしたわけでもないのに、子どもたちにとても申し訳ないです」
自分の任務を全うするために‘MERS離散家族’の道を選択した看護師の言葉に胸が痛いです。
そんな方々に、ソウル市は少なくてもワンルームよりもましな場所を用意してさしあげるべきだと思います。
国のために、人のために自分を犠牲にしていらっしゃる方を悲しい気持ちにさせてはいけません。拍手と激励、実質的措置が必要です。そうでなければ、私たちを脅かす問題が起こったとき、先頭に立って解決しようという自主性は生まれてきません。
MERSは終息に向かっているとはいえ油断は禁物です。MERSは食い止め、民生は切り開かなければなりません。
一番低く困難な場所で「新しいソウル」は産声をあげています。私どもを信じ、ご協力くださる市民の皆様がいらっしゃることを決して忘れません。
私は明日も現場で問いかけ、答えているでしょう。
#MERS #パク・ウォンスン(朴元淳) #メディヒル病院 #カンドン・キョンヒ(江東慶熙)大学病院イ・ヘシク