昨日の一日、ソウルのマンション団地を回りました。ソウル市民の59%がマンションという住居タイプに住んでいる状況下で、マンションに関する不正を調査・根絶すると同時に、幸せな共同体を作ることは、ソウル市長として重要な任務といわざるを得ません。すなわち、ソウル市がマンション管理費の無駄を減らし、葛藤を減らす「透明なマンションづくり事業」の一環です。
このために、私は21日、実際の管理費削減や住民共同体の活発な活動を実現している4箇所のマンションを訪れました。そこで入居者代表、住民、管理事務所長に会って「小さいけれど多くの変化が始まっている」現場をこの目で見て、「管理費の無駄と住民の葛藤を減らすノウハウが、タンポポの種のようにソウル市内の各マンションに広まるように、透明なマンションづくり事業を持続的に推進していくこと」を互いに約束しました。それでは、私が回ったマンションについて少しご紹介しましょう。
トボング(道峰区)サムスンマンション:1992年に竣工し、18棟1,668世帯が住むトボング・チャンドン(倉洞)サムスンマンションは透明な管理と住民の参加により管理費を抑えたモデルケース。その代表として共用電気の使用量を分析し、従来の「総合契約」から「単一契約」へと変更し、1年間総額4千562万3千ウォンの電気料金を削減しました。電気料金の契約方法の変更だけで、1世帯当たり年間2万7千ウォンを節約した、独特な管理費削減の効果を上げたのです。
昨年11月には、522の蛍光灯をLEDに交換し、年間77,737kWh、金額では年間6,918千ウォンを節約しました。
生活の中で共有ケースも素晴らしいと思います。一般家庭で個別的に購入するのが難しいドライバー、鋸、除草機、電動ドリルなどの「生活工具」、ゴムの盥、テーブル、生ゴミ脱水機などの「キッチン用品」を管理事務所が購入し、希望する世帯に貸しだす「工具図書館」のことです。
一部のマンションでは、入居者代表会議の会長など、その選出の際に選挙管理委員会を自主的に構成・管理する過程で住民の間ではその透明性に対する不信感が強かったのです。政府の選挙管理委員会の支援を受け、公正でかつ透明な選挙を実施し、葛藤を解消したケースもありましたが、今後、政府の選挙管理委員会とマンションの選挙業務に関するMOUを締結し、公正でかつ透明なマンション選挙管理を拡散させていく計画です。
ソンパク(松坡区)パークリオ:ここは66棟6,864世帯という超大型団地であり、共同体意識の活性化を通じて近所と情愛を分かち合うマンションとして定着しているケースです。屋外公園に設置した屋外図書館には、マンションの入居者が寄贈した1,500冊の図書を配置し、マンション住民が容易に本に触れることができます。また66の全棟に1つ以上、計72箇所の「住民コミュニケーション掲示版」を設置し、毎年「才能ハンマダン」という住民の和合のための祝祭を開催し、マンションの中央通路に住民が作った詩や工芸品を展示するなど、住民同士が触れ合い、共同体意識を回復することのできる様々なプログラムを運営しています。
チュンナング(中浪区)シンネ(新内)デシアン:チュンナングの15棟1,326世帯が住むシンネ・デシアンマンションは分譲(27%)-賃貸(73%)の団地であり、両方を統合させた運営により住民の間の葛藤のない模範的な団地に数えられています。このマンションの住民は、コミュニケーションと触れ合いにより、共通の管理規約を制定し、共同住宅代表会議の会長(分譲)、副会長(賃貸)を選出したそうです。デシアン図書館と呼ばれる「チェグルト(本の囲いという意)」は団地の遊休空間を活用したものです。主婦たちが自発的に参加し、経験豊富なボランティアの管理者を配置するなど、図書館を仲介して子供と親のコミュニティが活性化するモデルケースとなっています。
ソンブクグ(城北区)チョンアム(鍾岩)2次アイパーク:ソンブクグのチョンアム・2次アイパークマンションは、15棟782世帯の団地であり、マンションの入居者たちにより構成された環境に優しい消費者協同組合の運営を成功させ、共同体の活性化、管理費削減、雇用効果まで生み出しています。昨年の3月、50人の組合員により始められた「環境に優しい消費者協同組合」が、8カ月目にして入居者の組合員200人まで拡大しました。環境にやさしい営農体験、米・塩・野菜・白菜の塩漬けなど、安全な食品をリーズナブルな価格で共同購入し、直販所などの活動を共に行っています。
素晴らしいではありませんか。ソウルのマンションに、幸せの花が咲いています。