1994年に「参与連帯」を発足してから私が初めに行ったことは、「公益通報者支援センター」の設立でした。これは、内部告発者の保護を目的として設立されたものです。「内部告発者」という表現も「告げ口する」というマイナスのイメージがあるので、「公益通報者」に変えました。『A Few Good Men』という映画を見ていただくとわかりますが、公益通報者とは、外部からは知ることのできない組織内部の犯罪を、公益のために通報する人のことです。このような通報者を法律で保護しようというわけです。
ソウル市は24日(木)、市民社会団体・弁護士協会・国民権益委員会など公益通報にかかわる11人の専門家から構成された「公益通報支援委員会」を発足しました。この委員会は今後、公益通報調査に関する審議・諮問及び公益通報者の保護・支援などについて審議を行います。さらに、今回「公益通報センター」を新設します。「公益通報センター」は、これまで担当別に別れていた窓口を一つに統合したもので、今後「公益通報関連専担窓口」として運営します。
今後、皆さんが公益に反する情報を通報してくださると、事実確認や審議を経て、最高10億ウォンの報奨金を受けることができます。例えば、保育園からの不当な請求や建築工事請負契約時の不正行為、有害食品の販売や無断放流などによって市民の健康や安全を脅かす行為、また、消費者の利益と公正な競争を侵害する行為、公務員による腐敗行為などです。ソウル市では、このような公益に反する行為について情報を提供してくださった方を保護するための条例を制定し、「公益通報安心システム」を整備していきます。
「公益通報安心システム」は、運営はもちろん、受付から調査・支援に至るまで、全ての窓口をソウル市が一括して管理します。「公益通報安心システム」の主な内容は4点ありますが、まず、公益通報者には最高10億ウォン、腐敗行為通報者には最高20億ウォンの報奨金が支給されます。次に、公益情報の通報のために発生した各種費用に対して報償金を支給します。さらに、不当に解雇された方の再就職の支援をしたり、必要に応じて心理治療や人権法律相談などを提供します。最後に、通報の内容を故意に流出させた場合、懲戒及び1千万ウォン以下の過料が科せられる、という罰則も整備します。
これまで、「腐敗行為防止法」に基づき、公務員の腐敗行為を通報した際、最高20億ウォンの報奨金が支給されるという制度はすでにありました。しかし、ソウル市が、一般的な公益通報に報奨金を支給したり、通報者を保護する、というのは今回が初めてのことです。報奨金は、公益通報により、財産の沒収・追徴金・過料・課徴金などによって、市の財政が回復または増大する結果が得られた場合に、審議を経て支給されます。報償金は、肉体的・精神的な被害によって発生した費用・引越費用・弁護士などの費用・賃金損失などに対して支給されます。
今後はこの「公益通報安心システム」が、情報通報後の不利益が心配で消極的だった市民のみなさんにも安心して利用していただける、新しいコミュニケーションの窓口となるものと期待しています。市民なら誰でも情報提供・通報できますから、身の回りで起きている公益に反する不道徳な行為や腐敗行為などに気づいたらすぐに連絡してください。公益通報をしてくださる方は、ソウル市公益通報センター(02-2133-4800)または局番なしの「120」に電話で連絡してください。
ともに作り、ともに享受するソウル ! 公平で透明な社会を作っていくためには、市民の皆さんの深い関心と協力が必要です。皆さん、住みよい社会をともに作ってまいりましょう。