「チョンセ(毎月家賃を支払う代わりに、契約期間中、保証金を家主に預かってもらう形の住宅賃貸方法)・ウォルセ(一定額の保証金を払い、毎月決まった日に家賃を払う形の住宅賃貸方法)大乱」のせいで苦労していると思います。公共賃貸住宅をもっとたくさん建設することが最善策なので、ソウル市は苦しい財政にもかかわらず、約束した8万世帯の住宅を建設するため最善を尽くしています。
その他にもソウル市がするべきことを探して最善を尽くしています。最近「チョンセ」保証金の一部をウォルセに転換させる「半チョンセ」が増えています。このような時に借家人の中では、適切なウォルセ転換率がどのくらいなのか、よくわからないという人がほとんどだと思います。ソウル市は情報不足による借家人の過剰な負担を減らすため、地方自治体としては初めて、四半期別「チョンセ・ウォルセ転換率」を公開することにしました。
「チョンセ・ウォルセ転換率」とは、チョンセの保証金をウォルセに切り替える際に適用する割合のことです。ソウル市が16日、地方自治体として初めて公開した「ソウル市内圏域別平均チョンセ・ウォルセ転換率」の資料を見ると、つぎのようなことが明らかになりました。
〈ソウル市内の「チョンセ・ウォルセ転換率」が市中銀行のチョンセ資金貸出利率(4~7%)より最高2倍以上高い数値であり、結局借家人は市中銀行のチョンセ資金貸出利率より高い家賃を支払っている〉
実際ソウル市に確定日付を届出たチョンセ取引のうち、ウォルセ契約の比重が2011年の30%から2013年には35%に増えるなど、ウォルセの増加傾向がみられます。現在住宅賃貸借保護法に規定されている「チョンセ・ウォルセ転換率」は上限線(年間14%以下)のみ提示されており、各地域別の実取引を反映した情報は皆無状態です。それでほとんどの場合が家主(賃貸人)が一方的に決めた家賃額がまるで基準額であるかのようになっています。
高金利時代に慣行のように繰り返された、「保証金1,000万ウォンの代わりに家賃10万ウォン(1分(1%)利子・ チョンセ・ウォルセ転換率10%)」で契約が成立する場合が多々あります。韓国鑑定院で毎月全国から標本となる地域を選び出し、「チョンセ・ウォルセ転換率」に関する情報を提供していますが、地域の現状が反映されていないので役に立たず、結局家主(賃貸人)に有利な契約がなされるという事例が頻煩に生じています。
今回ソウル市が初めて公開した資料を見ると、2013年第3四半期(7月~9月)のソウル市のウォルセ住宅の転換率を算定した結果、都心圏(チョンノグ(鍾路区)・チュング(中区)・ヨンサング(龍山区)など)の一軒家と多世代住宅が最高値の9.4%で、東南圏(ソチョグ(瑞草区)・カンナムグ(江南区)・ソンパグ(松坡区)・カンドング(江東区)等)のマンションが最低の6.3%となっています。また、ウォルセに転換したチョンセ保証金の金額が少なければ少ないほど転換率が高く、少額の保証金で契約して住んでいる経済的に余裕の無い人であればあるほど家賃による負担が増加していることが明らかになりました。
ソウル市は、今後四半期ごとに「チョンセ・ウォルセ転換率」を公開する計画です。そうするとソウルでチョンセやウォルセで契約しようと思っている借家人が自ら実取引額を反映した地域別ウォルセ転換のレベルを知ることができ、不公正な家賃の支払いを防ぎ、急激なウォルセへの転換を防止できると期待しています。
さらにソウル市は、最近チョンセからウォルセに変わりつつある賃貸借市場の構造に対応し、「住宅賃貸借保護法」にウォルセで家を借りる借家人を保護する規定がより詳細に定められるよう関連部署に継続して意見を提示する計画です。このように借家人が転換率を知っていれば、賃家人と契約する際、より正確な契約条件で契約できるという長所がありますね。ソウル市は、今後とも常識からかけ離れたウォルセ契約のせいで借家人が被害を受けることのないよう、実効性のある制度改善をなしていくことをお約束します。
今は実取引契約を公開するだけですが、今後は先進制度を韓国の実情に合わせたウォルセ契約基準に改善するなど先制的な制度導入をもって借家人の住居権の強化に注力していきます。