雨水を上手に資源として活用することは、経済的に大きな利益があるだけでなく、持続可能な都市を実現するのに大変重要なことです。そのため、ソウル市は、アスファルトやコンクリートで地面が覆われている都心の不浸透域を最大限減少させ、「水循環都市」を目指していくと発表しました。
水が循環しない都市は、大きなたらいと同じだからです。許容量を超えれば、水はたらいからあふれ出します。都市が洪水になる原理です。これを防ぐためにも、比較的汚れていないきれいな雨水を集めておき、必要なときに使えるように整備します。屋根や庭に降った雨水を集めてためておき、生活用水や造景用水として使うというのは、我々の祖先の生活にも見られたことですが、貴重な生活の知恵であったと思うのです。この「水循環都市」事業を成功させるためには、市民の皆さんの協力が必要です。ちょうど雨のしずくの一滴一滴が集まって大きな川を作るのと同じです。
この事業を進めていくためにソウル市は、医師の協力を得ることにしました。「雨水主治医」が専門家としてアドバイスを下さいます。総括主治医は、ソウル大学ハン・ムヨン教授ですが、各自治区に主治医がおかれ、計23名の医師の方々が才能寄付してくださいます。
自宅に雨水利用施設を設けたいとか、雨水を気軽に使いたいという方がいらっしゃったら、都市安全室水管理政策課(Tel:2133-3762)までお問い合わせください。雨水主治医からアドバイスが受けられるようにお手伝いします。
隣国の日本では、各家ごとに雨水を集めて利用している地域があります。比較的小さな雨水貯留槽が各家々にあるわけです。その数は合計すると数十万個にもなります。東京都世田谷区の深沢環境共生住宅を訪問した時、私は感銘を受けました。ベランダには100リットルの貯水タンクが設置されています。貯水されない雨水は、浸透性舗装の効果により、そのまま地面に浸透します。これは地下にしみ込んだ後、井戸水として利用される仕組みになっています。さらに、各家ごとに設置されている雨水貯留槽は、洪水予防に大きな役割を果たしているのです。
ソウル市民の皆さんも主治医からアドバイスを受けましょう!