どうしてこんな事が! 私が龍山(ヨンサン)米軍基地の油流出事故に関する報告を聞いた時、私の頭の中に浮かんだ言葉です。いくら米軍基地が免責特権があり、SOFAによって規制されているとは言え、ソウルの土地と地下水が汚染されているのに出入りもできず、調査もできず、本質的な対策も立てることができないなんて!
2001年にソウル龍山米軍基地周辺で油流出が発見されて以来、12年が過ぎた現在でも油流出が続いており、そのため土壌及び水質汚染が拡散していると推定されているにもかかわらず、対策を立てることすらできないというのです。汚染源である龍山基地内部を調査しなければならないのですが、在韓米軍政府がこれを拒否しています。現在まで龍山基地周辺のノッサピョン(ヨンサングチョン)駅やキャンプ・キム(Camp Kim)周辺をはじめ、油流出による汚染が確認された土地の面積は最低1万2千235㎡(約3千700坪)、汚染を浄化するためにかかった費用は58億ウォンに達します。しかし龍山基地内外の油流出と土壌及び水質汚染の規模は実際はこれよりもっと広く深刻であるというのがソウル市の分析です。
龍山基地内部の調査権を持たないソウル市としては、基地の塀の周りを調査するしかありません。また浄化に必要な費用も、まずソウル市が支払い、これをソウル地区賠償審議会に請求するか、裁判所に損害賠償の請求訴訟を申し立てるという2つの方法があります。ですが、審議を通じて費用を返還してもらったことは一度もありませんから、政府を相手に訴訟を起こさなければならないそうです。浄化費用の返還を要求して政府を相手に今まで使った訴訟費用だけも7千500万ウォンです。
報告を聞きながら私は怒りさえ感じました。「龍山基地自体で浄化を行うか、少なくとも調査できるように政府と米軍側とで協議してほしい」と申し出ました。申し出が受け入れられるまで公文書を送り続けるし、私が米国大使と在韓米軍司令官に直接会って正式に問題点を提示すると言いました。マスコミや市民に対してもこの事実を公開することを要求しました。そしてソウル市は、環境部をはじめ、在韓米軍、在韓米国大使館に担当公務員を送ったり、公文書を何度も送って龍山基地内の汚染実態合同調査を要請し続けました。
ソウル市がこのような「強攻」を続けた結果、ついに在韓米軍が基地内部の調査の可否について政府と協議することに同意しました。6月17日に行われる環境部と在韓米軍との環境分科委員会会議の議題として基地内部調査件が採択されたのです。この会議にソウル市土壌地下水課の職員も参加できるよう要請しました。龍山基地の油流出が初めて発見されてから12年ぶりのことです。
しかしこれからが本番です。今回の会談を機に、ソウル市の職員、専門家、市民団体の基地内汚染に関する総合的な調査及びそれに伴う対策が講究されなければなりません。在韓米軍司令部は去る6月1日の報道資料を通じて「環境に関する情報の要請に対し、積極的かつ全面的に協力する。今回の会議が意味のある生産的な討議になることを期待する」と言いましたから、私たちも期待しています。市民の被害拡散とソウル市の土壌と地下水の汚染をこれ以上放っておくことはできません。