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希望日記

  • [朴元淳の希望日記156] ソウル市の再建築・再開発パラダイムが変わります

  • 希望日記 SMG 1,659

     

        ソウル市の再建築・再開発パラダイムが変わります。今後ソウル市では、再建築・再開発など都市整備区域に共同住宅を建てる場合、「人と場所を中心とした未来指向的共同住宅」を建てることにしました。都市の景観とつながりを考慮し、地域の風景と調和し、隣人とのコミュニケーションができる「人と場所を中心とした未来指向的高層住宅づくり」を目指すという意志を明らかにしたのです。ソウル市が今日発表した「人と場所を中心とした未来指向的共同住宅」の概念は、次のような内容を要点としたガイドラインであり、これから新築及び再建築する高層住宅に適用させる計画です。特にソウル市は、今後2,000世帯以上の大規模団地を造成する場合、「ソウル型公共建築家」が計画から施工までの全過程にわたって計画の適切性などを検討したり、諮問して整備事業の公共性を高めます。

        これまでの事業は開発による利益を優先して進められてきました。それで何の特徴もない画一的な高層住宅団地が形成され、地域住民と断絶した高層住宅団地特有の文化を作り上げてきました。このように大規模な団地化によって地域社会と隔離されていた高層住宅団地を、今後地域社会とコミュニケーションし、地域住民と共有する高層住宅団地として造り直そうというわけです。そのためソウル市は、これまでの「事業中心の構造」から公共建築家が参加して住民・専門家・行政が相互協力する「協業体制」に転換することを宣言し、これを原則として推進していく計画です。

        まず地域の景観とつながりが変わります。丘陵地形は地形に順応した住居類型を導入し、さらに緑地を造成して調和のとれたスカイラインを作ります。水辺型は水辺までの接近性を考慮するとともに、周辺の景観が確保できるように配置します。歴史文化型は昔の道と地域の特性がよく保存できるよう計画します。

        また高層住宅団地の周りを取り囲んでいた垣根をなくし、地域と連携した高層住宅団地を造成します。また団地内の進入路などを障害者・高齢者・子供などが安全に便利に利用できるようバリアフリー(Barrier-Free)化し、犯罪環境設計(CPTED)を導入して造成します。

        コミュニティ施設も住民の需要及び地域の特性に適応した用途と規模を考慮して住民共同施設の総量制を取り入れます。総量範囲は現在の法的施設の中で階層別必須施設(保育施設、小さな図書館、敬老堂(高齢者向け地域福祉施設))の機能を強化した義務施設とその他の施設で勧奨施設を設定します。地域住民と共有するための公共寄与(+α)を通じて地域公共性を強化できる勧奨施設(地域文化センター、地域共同体支援センターなど)を追加して設定しました。

        ソウル型公共建築家は計画・設計の段階から諮問及び調律の役割(MA)を担当しながら参加し、施工の段階では初期の計画と符合性を検討・諮問するなど整備事業のコミッショナーの役割を果たします。この過程を通じて整備事業の公共性を確保し、住民・行政の協力的ガバナンスを構築し、未来指向的な共同住宅を造成していきます。

        このような主旨と目標を持って再建築された高層住宅団地が松坡区(ソンパグ)の「蚕室5団地」と「可楽(カラク)市営高層住宅」です。ではどのように変わったか見てみましょう。「未来指向的共同住宅」の早期定着のためソウル市は、大規模再建築団地である「蚕室(チャムシル)5団地」と「可楽市営高層住宅」に公共建築家が参加し、整備計画を樹立するためのコンセプト案を初めて準備してガイドラインを提示しました。

        「蚕室5団地」の場合、昨年4月から公共建築家が参加して「持続可能な都市」をテーマに推進しました。蚕室駅周辺の都心と漢江まで連結する歩行ネットワークを作り、5階から最高50階までのさまざまな階層の建物を建設して漢江(ハンガン)周辺に開けたスカイラインを作る計画です。開かれた団地を造成するのです。また高層住宅団地の建物と団地周辺との間に「千の庭」を造成して住民とのコミュニティの場を形成します。庭がかもし出す風景を鑑賞したり、住民同士が互いに交わりコミュニケーションできる場を作るわけです。

        「可楽市営高層住宅」は、昨年12月に建築審議委員会で現行関連法の体系内で地域住民とのコミュニケーションと創意的な整備計画のために公共建築家の参加を決め、4ヵ月間の諮問会議を実施、多角的な計画を樹立しました。「HELIO POLIS(日差しに包まれた都市)」という名のもと「共に、開かれた、分かち合い」をテーマに、中央緑地公園の設置、開かれた建物の配置、各種コミュニティの場の造成、炭川(タンチョン)遊水地との連携、団地のあちこちに有機栽培の分かち合いの畑などを造成する予定です。これは地域住民とのコミュニケーションを最大化することが目的です。

        これまでの高層住宅は開発による利益を優先して進められ、公共性の葛藤の中で混乱することも多くありました。しかし今後は住民・専門家・行政が相互協力して「人と場所を中心とした未来指向的共同住宅」を造成していきます。住みたい共同住宅、隣人と喜びを分かち合う高層住宅、交流しながら共に暮らす地域共同体が形成されれば、希望の世の中、幸せに暮らせる世の中になるはずです。