私は市長となると同時に、色々な悩みの種も引きつがされました。その一つが人工島セビッドゥンドゥン島(フローティング アイランド)です。この事業については、さまざまな不当な措置が行われてきました。ここではその不当と思われる例を4点挙げたいと思います。まず、この事業は、地方自治法などに定められている「市議会の同意」を得ておりません。次に、投資総額が662億ウォンから1390億ウォンに急遽、倍増されました。さらに、無料で使用できる期間も20年から30年へと延長されました。最後に、このような不当な契約が明るみに出たばかりでなく、事業者であるフローソムが経費を水増ししていることも明らかになりました。このような不当な措置が行われてきたにもかかわらず、この損失については、すべて市民の血税で補っていくしかないというのが現状です。
金尚範(キム・サンボム)行政1副市長は「セビッドゥンドゥン島は、市が進めた民間資本事業の中で最も問題の多い事業であり、事業の最初から最後まであらゆる手続きがきわめて不健全だ」と言いましたが、まさにその通りです。
ところで、昨日のニュースでは、「今回のセビッドゥンドゥン島の監査結果に見られるように、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は、吳世勲(オ・セフン)前市長の痕跡を消すかのような行動を続けています。このような行動をとることは、ソウル市行政の連続性を妨げるものであり、信頼を失うことにつながるのではなかろうか、という指摘もなされています」と報じられました。
これほどの浪費、かつ、不健全な事業について、その間違いを是正し対策を講じることが、「行政の連続性を妨げるものであり、信頼を失うことにつながる」のでしょうか。このような事業について見て見ぬふりをしろというのですか。この報道はいかなる意図をもってなされたのでしょうか。まったく理解に苦しみます。
私は、基本方針として、前市長の政策や事業はできる限り良い方向に受け継ぎ、補っていこうと努めています。李明博(イ・ミョンバク)元市長以降、ソウルを修羅場へと変えてしまったニュータウン問題、高建(コ・ゴン)元市長在任時に6兆ウォンから19兆ウォンへと増えた債務問題、これらへの対処のため、睡眠時間も削って悪戦苦闘しています。ところが、セビッドゥンドゥン島のように、明らかに間違いであった事業を正し、その対策を講じようとする努力に対し、「前市長の痕跡を消すかのような行動」だと非難されることには、全く納得がいきません。報道は、過去の事業の誤りを明らかにし、浪費的支出をなくしていく方向に、世論を導くべきではないでしょうか。