ソウルフォーラム2015
日付 2015年5月27日 | 場所 新羅ホテルダイナスティホール
皆様、こんにちは。お会いすることができて嬉しいです。ソウル特別市長パク・ウォンスンと申します。世の中には2種類の人がいるそうです。人生の地図を手にして未来を築いていく人と、何もしないまま後から付いていく人、この2種類の人々は、出発点は同じであっても、その旅程と到着地は全く異なります。
都市と国も同じだと思います。明日への構想を描きながらそれを準備してきた都市と国の未来と、何の準備や対策もしないまま明日を迎える都市と国の未来は天と地の差があることは、誰もが想像しやすい事実です。特に、今は世界的にも厳しい低成長の時代、不況の時代、過渡期の時代です。都市と国が持続可能な成長と生存を実現していくためには、新しい未来と新しい希望の時代を切り開く、新しい想像と企画が切実な時です。
何より、産業化と民主化という圧縮的な近代化や高速成長を経験した大韓民国は、今や新しい社会への転換と新しい時代への移行を求められています。本日幕を開けた「ソウルフォーラム2015」は、その切実さと切迫感に基づいて、ソウルと大韓民国の新しい成長と未来を描く具体的な解法を模索する場です。このように有意義な知性と実践の場を設けてくださったイ・ジョンファンソウル経済新聞副会長と役職員の皆様、関係者の皆様、そしてご協力くださった皆様に深く感謝申し上げます。
多くの学者や専門家は、今我が社会が危機と機会の分かれ道に立っていると指摘しています。コリアディスカウントとなっている分断の現実を統一の未来に転換させ、限界に達している規模の経済を人と技術が中心となる創造経済に転換させれば、新しい未来と希望の時代が開かれるという共通の認識を示しています。
今回の「ソウルフォーラム2015」も、「ビヨンドコリア:新しい成功の方程式」として、「次世代成長エンジン産業」や「安保」、「中国」を、方程式を解く3大キーワードとして選定しました。
ソウル市もソウルフォーラムと同じ認識です。破壊と建設という古い考え方や土木経済中心の方程式から脱皮し、人の想像力を経済の中心とビジネスのモデルにしています。ソウル型創造経済を通じて、持続可能な未来の雇用と成長動力を作るために、市政の能力を集中しています。R&Dやバイオ・医療、MICE・観光、都市再生、新再生エネルギー、IT融複合産業など9つの分野を、ソウル型創造経済の核心産業として育成しています。8大創造経済拠点(Gバレー、ケポ<開浦>、DMC、トンデムン<東大門>、シンチョン<新村>・ホンデ<弘大>・ハプチョン<合井>を結ぶシンホンハプ<新弘合>バレー、マゴク<麻谷>、チャンドン<倉洞>・サンゲ<上渓>、ホンヌン<洪陵>)のインフラを構築して10万の創造人力を育成し、そこから得られた成長と成果を市民の皆様とともに享受しながら、ソウルの未来100年を導く新しい質的成長の時代を切り開くという抱負が、ソウル型創造経済の目標です。
また、ICT、フィンテック、太陽光事業など、未来先端産業の新しい大国として浮上している中国との協力も強化しています。ソウルの長所である再生エネルギーや先端技術、文化観光などで中国と協力し共存共栄を図ることで、北東アジア平和経済共同体に向かう道にも一歩ずつ前進しています。
同時に、今年は日本による統治からの解放70周年、分断70周年を迎える歴史的な年です。これを契機にソウル市は、南北間のキョンピョン(京平)サッカー大会やソウル市立交響楽団のピョンヤン(平壌)公演、ソウルとピョンヤンの歴史都市共同研究など、様々な南北交流と協力事業推進を通じて、信頼と絆、協力の道を模索していきたいと思います。ソウル市の発展した技術と資本、そして北朝鮮の優秀な労働力を連結した地方自治団体レベルの南北経済協力が実現すれば、韓半島の平和と統一を早めることができると確信しています。南北関係が悪化しているためすぐ実現することは難しいですが、ローカルトゥローカル(local to local)、ピープルトゥピープル(people to people)を基盤として、北朝鮮との交流が活発になれば、信頼と絆が回復し、それを契機に統一の扉を開くことができると期待しています。
時代を先取りして洞察し、時代を先取りして準備する人や都市、国が未来を導き、持続可能な社会を作るリーダーになると思います。過渡期を超え新しい転換の時代を開かなければならない、この時に行われる「ソウルフォーラム2015」が、今私たちが直面している巨大な挑戦課題を解決する方程式を提供してくれると期待しています。新しいチャンスの扉を開く知恵を与えてくれると期待しています。新しい未来の流れを導いていらっしゃる、世界的な碩学と専門家の皆様からの革新的なアイデアを、ソウル市も市政に積極的に反映していきます。ありがとうございました。