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[2011] 市長挨拶

  • 新しいビジョン構築に向けた初めての予算案

  • [2011] 市長挨拶 SMG 1,835

    2012年度予算案提出に際しての施政方針演説

    日付:2011年11月10日 場所:ソウル市議会

    尊敬するホ・グァンテ議長、そしてソウル市議会の議員の皆様!本日ここに第235回定例会が開会されるにあたり、2012年度ソウル市予算案の提出及び審議申出を行い、来年度の市政運営の方向性についてお話させていただくことになり、大変意義深いことだと考えております。

    議員の皆様もご存知かと思いますが、先の10月26日に行われた再選挙及び補欠選挙の際、新しい変化を熱望する市民は実に大勢いました 。そして市民との真のコミュニケーションを図ることで、厳しい「現実」を温かみあふれる希望に満ちた「未来」へ変えてほしいという市民の熱い思いを覚えていらっしゃると思います。

    私は、市民の皆様が願う切実な思いと期待の声を現場で直接耳にし、市民の立場に立つ新しいパラダイムを示す市長になりたいと自ら決心し、またお約束しました。市民一人ひとりの貴重な声に誠実に耳を傾け、謙虚な姿勢で臨み「新しい変化、真の変化」を成し遂げるために、市民の素朴な夢と希望を政策として実現させます。

    こうした約束を実践に移し具体化するために、まず各界の専門家らが参加する「希望ソウル政策諮問委員会」を立ち上げます。さらに、市民の意見を聞き市民のアイデアを反映することによって、人が幸せになる都市を目指し、人と福祉が中心となる新しい未来像や行政サービスの内容を盛り込んだ中長期マスタープランを策定する計画です。

    また、専門家と一般の人々が共に参加する「事業調整会議」を設立し、都市の外観を変えるために投じられていた財源に対する綿密な検討や再配分により、福祉、教育、住居、雇用、安全など市民の生活を支え、暮らしの質を高めることに投資したいと思います。

    こうした取り組みを通じて、これからソウル市が進むべき針路を、人と変化、そして未来に合わせます。これから先の10年を「人のために都市を変化させる10年」にします。

    本日、市議会に提出する2012年度予算案は、市民が納めた貴重な税金が無駄遣いされることがないよう、節約できるところはできるだけ節約し、ムダと判断される事業は削減するなど、バランスの取れた財政運営に基づいて事業編成をしました。また、来年度に市民にとって優先的に必要な事業なのか、そして、多くの市民が求めている事業なのかなどを、市民の視点と意見を十分に反映し、福祉、雇用、市民の安全という三つの重点分野に財政を集中的に投入する「ソウル市民の生活を変える、人が中心となる」予算になるよう編成しました。

    こうした予算編成の基本方針に基づき、来年度予算の総額は、今年より5.9%増えた21兆7,973億ウォンとなり、そのうち一般会計が15兆2,050億ウォン、特別会計が6兆5,923億ウォンとなります。会計間の出入りや自治区、教育庁などの他機関の支援予算10兆736億ウォンを除いた実質的な執行額は、11兆7,237億ウォンとなり、今年より4.3%増えました。

    部門別の来年度予算案の主な内容について説明させていただきます。

    まず最初は、全ての市民に希望を与える福祉予算です。庶民の生活を支え、拡大し続ける社会福祉の需要に対応するため、今年より10.8%増の5兆728億ウォンを計上し、事業費の25.5%を確保することで、2014年福祉予算30%達成に向けた土台にしたいと思います。非受給貧困層(貧困層にもかかわらず、何らかの理由で生活保護を受けられない人たち)への特別支援や、ソウル市民の生活最低基準の目安の確立など、充実した社会セーフティネットの構築を行い、福祉サービスが行き届かない問題を解消し、国公立の保育施設や小学生の学童保育の拡充など、子育てにおける問題点を解決するよう努めます。再開発や再建築、賃貸住宅など、様々な公共賃貸住宅の供給、チョンセ(家主にまとまった保証金を預けて入居する制度)保証金センターの設立などを通じて、住宅価格の高騰に苦しむソウル市民の負担を軽くします。さらに、ソウル市立大学の授業料半額化施行など、大学生たちが安心して学業に専念できるよう環境を整え、今年11月から小学校5~6年生に拡大した環境配慮型給食(環境に優しい食材で作る給食)の無償化実施対象を中学1年生にまで広げるなど、教育環境を改善してまいります。

    二番目に、保存と成長が調和を成す、環境に優しい都市ソウルを目指し、環境保護分野に1兆7,123億ウォンを配分しました。市民発電所設置に向けたソーラーファンドの設立、ソウル型発電差額支援制度(新再生エネルギーにより供給された電力の取引価格が 基準価格より低い場合には、その電気を供給した発電事業者に基準価格と電力取引価格の差額を支援する制度)の導入など、新再生エネルギーの普及拡大及びビルのエネルギー効率化事業を通じて気候変動に積極的に対応してまいります。天然ガス自動車や電気自動車などといったエコカーの普及など、ソウルの大気質を持続的に改善します。住民の参加による町の森保護や町の小規模公園づくりなど、生活圏域における市民の休憩スペースを拡充し、緑豊かなソウルを目指して努力します。

    三番目に、安全かつ便利な交通体系の確保に向け、道路・交通分野に1兆7,077億ウォンを計上しました。ソウル都市鉄道7号線及びソウルメトロ9号線の延長、牛耳(ウイ)~新設(シンソル)区間の軽電鉄(ライトレールトランジット)を建設し、地下鉄やバス内の空気質の改善など、快適な公共交通機関の環境整備に取り組みます。公共型タクシー会社の設立、タクシー総合管理システムの構築など、世界水準のソウル型タクシーモデルを作れるよう尽力します。さらに、子どもたちが安心して通える空間(通称アマゾン)づくりなど、交通弱者のための歩行環境を充実させます。また、公共交通機関専用地区設置などによる交通渋滞の解消、複合乗り換えセンターや公営駐車場の設置などによる駐車施設の拡充、江南(カンナム)循環型都市高速道路の建設などによる幹線道路網の拡充事業も着実に進めます。

    四番目に、快適な住環境づくりや都市空間の再編のために、住宅及び都市管理分野に3,992億ウォンを計上しました。住民参加型住居地再生事業、住みやすいアパート・コミュニティなど、地域コミュニティが活性化された住環境づくりに努めます。東大門(トンデムン)歴史文化公園建設、新庁舎設立、世宗路(セジョンノ)周辺におけるハングルのブランド化事業を進め、ソウル都心の歴史・観光・文化基盤を構築します。望遠(マンウォン)生態公園、自然型護岸など漢江(ハンガン)の自然生態を復元し、インターチェンジ増設や望遠緑道設置など、アクセスを改善して漢江を市民の利用と生態系が調和をなすスペースとして生まれ変わらせます。

    五番目に、創造的かつ持続可能な質の高い雇用の創出や庶民経済の活性化に向け、産業経済分野に5,109億ウォンを計上しました。公共、社会、若者向けの雇用創出のための社会投資基金の設立、ソウル・クリエイティブ・ラボや創造アカデミーの運営などを通じて創造力豊かな人材の養成、中小企業インターンシップの拡大など、安定的かつ生産的な雇用創出を行います。中小企業の海外ビジネス支援、零細規模のスーパーマーケット保護や経営支援で中小商工業者の自立基盤を強化し、伝統市場の支援、農水産物卸売市場施設の現代化事業、都市農業の育成など、地域の商圏と生活経済の活性化に取り組みます。

    六番目に、市民が文化を享受する機会を増やし、観光競争力を強化するため、文化及び観光分野に4,395億ウォンを計上しました。ソウルを代表する図書館の設立、町の芸術創作の場所づくりなど、様々な文化芸術の基盤を拡充し、ソウルを代表する公演作品の制作、ハイ・ソウル・フェスティバル(Hi! Seoul Festival)開催など、ソウル市民が質の高い文化芸術公演を楽しめるよう後押しします。ソウル・グリーンツアーなどテーマ別のソウル観光コースを運営し、MICE(Meetings, Incentives, Conventions and Exhibitions)など、ソウルの産業と結び付けられた高付加価値の観光商品を開発し、観光客招致にも力を注ぎます。同時に、ソウルの城郭など歴史文化遺産を段階的に修復し、西南圏域のドーム球場建設など市民向けの体育施設も充実させます。

    七番目に、災害のない安全なソウルを作るために、都市安全分野に今年より44.3%も大幅に増額した7,394億ウォンを計上しました。大深度雨水貯留管構築や雨水ポンプ場の新設及び増設、山林内の危険な施設物の整備などによる土砂崩れの管理、住宅浸水防止施設の支援など、事前の予防に重点を置いた、異常気象に対応するための都市型水害安全網を構築します。さらに、特殊・緊急救助装備や消防車を増やすなど、都市における火災や災害に対する有効な対応能力を向上させ、橋梁やトンネルなどの道路施設の安全管理もさらに強化します。

    最後に、質の高い市民向けサービスを提供するため、一般行政分野に3,106億ウォンの予算を計上しました。「120タサン(茶山)コールセンター」の運営など、市民からの苦情や要望などに対応するサービスの水準を向上させ、市民とのコミュニケーションを行う参加型広報システムにより、現場の声を市政に反映するよう努力します。

    尊敬する議員の皆様!ソウル市が市民とのコミュニケーションを図り、共同体の新しいビジョンを作るための初めての予算案編成を行いました。これまで、対立などでばらばらになっていたソウルを一つにし、未来への明るい希望をもたらし、大切な市民の生活に幸せをもたらす、温かく希望にあふれる予算になることと確信します。

    2012年には「希望に満ちたソウル市」の家計をうまくやりくりし、財政運営の効率性を高め、支出構造の改革を通じて財政健全性を確保します。さらには、財政健全化指標を設定し、それを隠さず公開し、安定的な財政運営の基盤を固めます。特に、重点事業への選択と集中を通じて予算を効率的に配分することで、短期的な成果にとらわれることなく、ソウルの未来に変化を与えるよう地道に取り組んでまいります。

    人が中心となる新しいソウルという、市民が望む変化を成し遂げられるよう、議長をはじめ議員の皆様にはなお一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。ご清聴、ありがとうございました。