2019年末、世界的なメディアアーティストが参加した「ソウルライト」は、約100万人の市民が観覧し、ソウルを代表するメディアファサード祭りとして位置づけられた。2020ソウルライト秋のイベント「DDP LIGHT ON」は、トンデムン(東大門)商圏の活性化とデザイン産業の発展のため、ソウル市とソウルデザイン財団が企画したイベント。新型コロナウイルス感染対策に疲れた市民のために、今回のイベントではデザインの感性をもって癒しと応援のメッセージを乗せたメディアファサードの作品をオンライン(2020年10月30日(金)~2020年11月12日(木))で配信する。
特に2020年は、市民の参加で作られた作品が出品されたのが特徴。市民の応募によるブルーカラー写真約600点を用いて作られた映像や、市民の顔を視覚化して観客の感情によって変わるインタラクティブ作品をDDPの外壁に投影する。主催側のソウルデザイン財団は、ソーシャル・ディスタンシングの実践と非対面時代に合わせ、DDPホームページと、さまざまな動画共有プラットフォームを通じて事前に撮影したメディアファサード作品を配信する計画。2020年の秋に公開する作品には、長い間パンデミックの状況に疲れている市民に、癒しと希望のメッセージを伝え、危機を乗り越えるために最前線で戦っている市民の英雄たちに贈る応援メッセージが込められている。
感謝(私の中のブルーライト)
「私の中のブルーライト」は、市民が応募した約600枚の写真を用いて制作された作品。犠牲を払って防疫の最前線で戦う一人ひとりの英雄たちに、応援と感謝のメッセージを贈る。
希望(FACE OF CITY)
メディアアーティストのイ・ジェヒョン氏の作品「Face of City」は、新型コロナウイルス感染症の克服に対する希望を市民と分かち合うために制作した、市民とのコラボレーション作品。オンライン上で市民から集められたテキストがリアルタイムで分析され、肯定の言葉が多くなると、ファサードに描かれた顔が笑顔になるという相互作用型メディアファサード。ファサードに投影される顔の表情は、AIにより学習されたビッグデータのテキスト断片からなっている。市民の希望のメッセージを一つ一つ読んでみるのも、作品鑑賞の楽しみ方の一つ。
ヒーリング(モネの庭)
メディアアーティストのQuayola氏の作品「モネの庭(Jardins d’Été)」は、フランス人画家クロード・モネの作品をオマージュして制作された作品。超高画質カメラと特別制作されたコンピュータ・ソフトウェアを活用し、画家が観察したイメージと類似した条件の自然を、機械の視点で創造しなおした作品。厳しい状況が続いている今、自然が与えてくれる癒しの時間とメッセージを楽しむことができる。