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[2014] 市長挨拶

  • 強固な韓米同盟を土台に共に平和と繁栄への道に前進していくこと

  • [2014] 市長挨拶 SMG 1,737

    コリアソサエティー招請懇談会
    日付 2014年9月20日 場所 米国ニューヨーク

     尊敬するトマス・ハーバード理事長、マーク・ミント会長、ソフィア・カン副会長をはじめ、コリアソサエティー会員と内外貴賓の皆様、こんにちは。お会いすることができて嬉しいです。ソウル特別市長のパク・ウォンスンと申します。本日私をお招き頂き、温かいご歓待に心から感謝申し上げます。

     コリアソサエティーは去る半世紀の間、韓米同盟と紐帯関係、友好強化のため先頭に立って 努力を尽くしたことはもちろん、経済、通商交流の促進、文化、情報交流事業等、様々な 分野で韓米同盟をつなげた心強い友でした。韓国には「友達は昔の友達がよく、服は新しい服が良い」、「真の友は一朝一夕で作られるものではない」ということわざがあります。

     今後ともコリアソサエティーとの友情が半世紀を越え、永遠に続くことを願っております。

     尊敬する貴賓の皆様、大韓民国は世界的に前例のない短い期間で圧縮的な成長を実現しました。産業化と民主化という近代化の業績を達成し、「ハンガン(漢江)の奇跡」を成し遂げました。その中心には大韓民国首都のソウルがありました。

     ソウルは朝鮮戦争の廃虚を克服し、今日では 世界都市競争力第6位という驚異的な成果を上げました。世界電子政府評価では1位を独走するほど、ICTを基盤とした最先端のデジタル市政を構築しています。観光分野では3年連続コンベンション5大都市として、2年連続ベスト国際ビジネスミーティング都市として選定されました。

     一年間にソウルを訪れる観光客はすでに1,000万人を大幅に超えています。ソウル市の行政優秀事例は21か国22都市で活かされており、有数の世界各都市がソウルを学びに来ています。今やソウルは誰もが否定することのできない、名実ともにグローバル都市となりました。

     しかし、高速成長と輝く成就の裏側には暗い副作用と葛藤が隠されています。地域の不均衡と階層間の葛藤、都市乱開発と環境汚染等は、これ以上黙過することも避けることもできない課題として浮かび上がってきました。量的、物質的な成長を重視した結果、結局最も重要な「人」を疎外させた成長だったという評価は、必ず克服しなければならない課業となりました。

     2011年10月、私は変化を要求する時代の流れの中で、ソウル市長補欠選挙に当選されました。官僚や政治家がソウル市長になっていた前例を破り、人権弁護士、市民運動家、社会革新家として長い間市民社会で働いてきた私がソウル市長に当選したという事実は、実はそれ自体にも大きな変化でした。

     私は30年を超える歳月を民主主義と人権守護のために権威主義政府と戦いました。手続的民主主義と市民権の拡大のために荒れ地のようだった市民社会の領域を開拓し、韓国最大のNGOである「参与連帯」、リサイクル団体の「美しい店」、社団法人「美しい財団」、NPO法人の「希望製作所」等、韓国を代表する市民団体を作りながら市民社会運動の中心に立っていました。

     私に対するソウル市民の信任は変化への熱望、念願であった新しい政治、新しい行政への期待が反映された結果でした。したがって私は民主主義の原則の下、「市民の皆様が市長です」をモットーとし、「市民の生活を変える市長になる」と宣言しました。私はこれを原則として、ソウルの市政を新しく革新しています。都市の主役を人に、ソウルの主役を市民にする人本主義的な政策を行い、常識と原則、合意と均衡の市政を実施しています。

     「村共同体」、「共有都市」、「原発1基削減」、「犯罪予防都市」事業等、ソウル市が実施している数々の政策はソウルという大都市が直面している様々な問題を解決し、皆が共に生きる都市、持続可能な未来のある都市への転換を導いています。

     これら全てはソウル市の力だけでなく、市民・市民社会・専門家・企業等と共に行っています。疎通、参与、ガバナンスを通じて共に顔を寄せ合わせて共に問題を解決していっております。

     過去3年間、80回を超える政策討論会、一泊二日で行われる自治区現場市長室の運営と120回余りの現場訪問、5万件余りの行政情報の公開、140万人余りが訪れた市民庁、2,800人余りが参加した市民発言台、住民参与予算制と住民参与政策博覧会等は、ソウル市と民間をつなげる堅固な信頼の垣となりました。

     ソウル市の全ての情報を開放、公開し、共有することで市政の透明性を高め、市政の責任性を強化する行政革新を実現しました。市民に公開し、市民と共にする行政は集団知性ウィキペディア行政という前人未到の開かれた行政、参与行政を可能化し、これにより「市民の皆様が市長です」というモットーを現実化することができました。その結果、ソウルは協力と相生の都市、質的に成長する幸福都市への転換を実現していっています。

     尊敬する貴賓の皆様、今世界の大多数の国家と都市は様々な社会問題と都市問題で酷い状況となっています。まだ多くの市民が貧困と経済的に貧しい状況から脱皮できず、不公正と不平等の下で苦しんでいます。

     地球温暖化と気候大気問題は必ず解決すべき現代の最も大きい挑戦の一つとして登場しました。福島原発事故を契機に台頭した原子力発電所問題は、エネルギーと環境政策に対する根本的な省察と政策的な転換を要求しています。自然災害と犯罪、都市の安全への不安も市民の生活を脅かしています。高い失業率と所得格差問題は相対的剥奪感を増加させ、少子化と超高齢化時代への突入は我々の未来の不確実性を増大させています。

     これらの都市問題は単に一国家の問題、一つの都市の問題だけに限ることはできないと思います。ソウルとニューヨークの今日、そして北京と東京が頭を悩ませている今日の問題は、都市や国境を越え、我々全員が共に解決していかなければならない全地球の問題として浮上しました。「大統領は原則を述べるが、市長はゴミを拾う」という話のように、今や都市問題は都市が主導的に解決しなければなりません。

     ソウルと北京は気候大気問題に共同対応しており、81カ国1,000余りの自治体が参加している自治体の国際ネットワークICLEI(イクレイ)が持続可能な都市のために共に力を合わせて協力していくことは、その良い前例となるでしょう。

     尊敬する貴賓の皆様、私は外交、安保、南北統一分野についても、都市の役割が今より大きくなっていかなければならないと思います。これまで国家が外交、安保、南北統一の中心で鍵を握って全ての問題を解決しようとしていたとすれば、これからは地方政府に一定分野の権限を移行し、実質的な役割を与えなければならないと思います。

     特に冷戦体制がまだ続いている韓半島では南北関係を扱う地方政府の外交、安保的役割は根本的なパラダイムの転換が必要です。ベルリンが「法的な統一」(1990年)に先立ち、「事実上の統一」を実現できたのも、東西ベルリンをはじめ都市間での交流政策の効果があったためです。

     都市間の交通、住宅、環境汚染等都市問題から体育、文化行事に至るまで、西ドイツと東ドイツは相互交流し、協力し合いました。それが重なった結果、ついにベルリンの壁が崩壊されたのです。

     ソウルは今や生活の質が高く、皆が共に豊かになる幸福都市の夢を実現しようとしています。さらには世界各都市が抱えている問題を解決する先頭に立つ革新的な都市として、南北交流の突破口を開き、相互交流や協力を増やしていく平和の都市・ソウルの夢を実現しようとしています。

     この夢を実現するためには必ず必要な前提条件があります。それは民主主義を土台とする韓半島の平和体制を堅固に維持することです。そしてその中心には韓米同盟があります。

     韓国と米国はこれまで協力的同盟関係を超え、共にビジョンを共有する価値同盟関係を結んできました。「人権と人間の尊厳」を最優先価値として、自由民主主義と市場経済の同伴者関係を結んできました。これからはさらなる強固な韓米同盟を土台に、韓半島と米国が共に平和と繁栄への道へと前進していくことを願っています。コリアソサエティー会員の皆様には、韓半島の平和のために重要な役割を担ってくれることを期待しています。ソウル市も両国の同盟と発展、友好はもちろん、都市間の協力のために最善を尽くしていきます。本日、意味の深い貴重な時間を設けて頂き、会員の皆様に改めて感謝申し上げます。皆様の健康と幸福を心からお祈り申し上げます。ありがとうございました。

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