ソウル市、北朝鮮の挑発を受けて「経済分野の対応策」を発表 ソウル市は北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島砲撃により、海外からの投資や外国人観光客の減少など、ソウルの経済へのマイナス影響をできるだけ小さくするため、ソウルの経済状況をきちんとモニタリングし、関連機関との協力関係を一層強めるなど、迅速な対応に乗り出しました。
ソウル市は25日、クォン・ヨンギュ行政1副市長の主宰で「緊急経済点検会議」を開き、北朝鮮の挑発行為による韓国内外の金融市場への影響と今後の対応などを議論し、国際金融市場においてソウルが受ける打撃や市民の不安感がさらに広がらないようにする考えです。
ソウル市はまず、多くの外国人が訪れる主な観光地や観光業界などの動向をきちんとモニタリングし、韓国に訪れている観光客に少しでも不便がないよう、万全を期しています。
特に、すでに安定を取り戻しつつあるソウルの現状を海外の人々に知ってもらうため、ソウル市の公式ホームページ(外国語ホームページ)など、様々なチャンネルを通じて正確かつ客観的な情報を提供する計画です。
ソウル市はまた、韓国所在の外資系企業や団体などとの緊密な連携を通じ、海外の経済動向をモニタリングしながら、「コリア・ディスカウント」のような韓国市場をわい曲した情報が流れないようにする一方、ソウルに住む外国人の不安を解消することに力を注ぐ方針です。
ソウル市はまた、生活に密接している品目について、価格のモニタリングをさらに強化し、農水産物などの価格の安定的な管理と需給安定策を積極的に講じています。
ソウル市によると、北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島への砲撃にもかかわらず、25日現在で外国人観光客数に大きな変化はなく、予定されていた外国人の韓国訪問が一部キャンセルにはなったものの、全体的には以前と変わらず順調に行われているということです。
また、現在ソウルを訪問している外国人観光客も、これといった動揺は見せておらず、ソウル市の主要なスポットである清渓川(チョンゲチョン)や光化門(クァンファムン)広場、北村韓屋村(プクチョンハノクマウル)などに訪れており、観光客の数にも大きな変化はみられないということです。
韓国の株式市場や外国為替市場もまた、北朝鮮の挑発行為があった当日は大幅な変動があったものの、すでに安定を取り戻しており、外国人投資家も大きく動揺していないことがわかりました。
ロイター通信をはじめとする主な海外のメディアでも、証券市場の専門家の話を引用し、北朝鮮の延坪島攻撃が外国人投資家の投資心理に大きな悪影響を与えることはないと報じています。
さらに、ロイター通信は、「北朝鮮の挑発行為には外国人投資家も慣れているため、韓国の株式市場から急に離脱することはないだろう」として、韓国経済への影響は限定的だろうと分析しています。
また、スタンダード&プアーズ(S&P)やフィッチ、ムーディーズなどの国際信用格付け会社も延坪島砲撃に対する懸念があるにも関わらず、韓国の信用度は現在の水準を維持すると見通しています。
ソウル市のチェ・ハンド経済振興本部長は、「延坪島砲撃による韓国内外の不安を解消し、積極的な対策づくりと迅速な対応により、市民生活やソウル経済の現状は落ち着きを取り戻しており、外国人投資家や外国人観光客への影響がないよう、万全を期する考えだ」と述べました。