現代は多くの作家が遊牧民のような生活をし、様々な社会文化的脈絡の中で作業を行っています。「ユニバーサル・スタジオ、ソウル」は、韓国に移住し、継続的に創作活動を行う外国人作家らの作品で構成された展示で、彼らが認識・表現した韓国と彼らを見つめる韓国人の視点に対して問いかける機会を共有しようと企画されました。
- 展示期間:2014年6月17日~2014年8月10日
- 展示会場: ソウル市立美術館西小門本館1階
- 展示時間: 平日 10:00~20:00 / 週末 10:00~19:00 / 月曜日休館
毎月第1・第3火曜日:10:00~22:00
- ドーセント実施時間: 火~日曜日 一日2回(午前11時、午後2時)
- お問い合わせ: (☎ 02-2124-8937)
日本、ドイツ、オランダ、英国、スペイン、カナダ、チェコ、インド、シンガポール、オーストラリアの10カ国から招かれた13人の作家は、職業や結婚、留学、好奇心など様々な理由で韓国を訪れ、最短で1年、最長で20年間、韓国に滞在・活動してきた人たちです。その中には、韓国で活動していた2009年に急死し、多くの人が哀悼の意を捧げた作家エミル・ゴー(Emil Goh)も含まれています。
ハリウッド映画のテーマパークを髣髴させる展示タイトルは、その名の通り韓国に移住してきた外国人作家らの「スタジオ(studios)」が、国境を越え、遊牧民のような生活を営む現代人の「普遍的(universal)」でグローバルな現象を再現する場所であることを暗示するとともに、異文化に接するときに自然に生じる文化的ファンタジー‐例えば、外国人作家が持つ韓国に対する浪漫的偏見や批判的視点、または韓国人が外国人作家に抱く期待‐を意味しています。
見慣れたものを見慣れないもののように見つめ、当たり前のことを当たり前のように思わない芸術家の本質的な態度が、異文化圏への移住を機に興味深い結果に発展するのはごく自然なことです。同展示には、作家らが移住する前の作品の特徴を維持しつつ、より普遍的なテーマの中で韓国の生活を取り上げた作品もあり、韓国の歴史と文化、国家分断と政治、街の風景と日常などを積極的にモチーフにした作品もあります。特に、インゴ・バウムガルテン氏やクレーガー氏、サイモン・モリー氏、アルフレッド・23・ハルト氏といった作家の場合、韓国に移住する前と後の作品が一緒に展示されており、観覧客は居住地の変化によって作品に現れる美的性向、テーマ、素材の変化を観察することができます。
展示図録では、故エミル・ゴーを除く12人の作家に5つのキーワード(Home、Language、Cultural Fantasy、Passport, Seoul)が与えられ、それに対する作家らの自由な思考がテキストや詩、ドローイング、写真などで表現されており、作家一人ひとりの内密な思考を作品とともに読める構成になっています。また、パフォーマンスやラウンドテーブル、作家との交流など、それぞれの作家の韓国と韓国文化に対する反応がどのような観点や表現で現れるか観察できる時間も設けられています。