ソウル市に居住する外国人がソウル市全人口の5%に近づいている。
グローバル人材が集まり、韓国人住民と外国人住民が共に成長する未来のソウルを築くために、様々な機関で創業、就職、生活相談、教育など細分化されたプログラムを運営している。
2023年現在、ソウル市在住外国人は約44万人。これは、ソウルが次第に多文化都市へと変化しており、その分、外国人住民とのコミュニケーションが必要であることを示している。現在、彼らのためにソウルグローバルセンター、グローバルビレッジセンター、外国人住民センターなどで創業、就職、生活相談、教育、文化交流などの様々なプログラムが体系的に行われている。外国人と韓国人が共存する多文化社会を築くための取り組みが展開されているのだ。ソウル外国人ポータル(global.seoul.go.kr)にアクセスすると、プログラムの詳しい情報を確認できる。
ソウルグローバルセンター
2008年に開所した外国人総合支援施設で、外国人住民の成長と定住の支援を目指して様々なプログラムを運営している。「グローバル創業移民センター」に指定され、韓国で創業しようとする外国人に必要な知的財産権の取得、法人設立支援などの教育プログラム(OASIS)により、外国人の創業準備者や技術創業者を支援する。在留資格(ビザ)発給問題を解決するための専門家によるコンサルティングや法律・税務・不動産などのカスタムサポート、イベントや教育のための貸しスペースやインキュベーションスペースを提供する。外国人の職業能力強化のためにビジネス韓国語クラスとTOPIK(韓国語能力試験)対策クラスを運営し、実務中心の韓国語教育と資格取得もサポート。また、ソウル生活ガイドブックにより外国人の出入国・医療・就職などの情報を提供し、生活の便宜を図っている。
お問い合わせ +82-2-2075-4180
ソウルグローバルセンター
ソウルグローバルセンターでの授業風景
イテウォン(梨泰院)グローバルビレッジセンター
カンナム(江南)、クムチョン(衿川)、ソレ(瑞来)、ソンブク(城北)、ヨンナム(延南)、イチョン(二村)、イテウォン(梨泰院)の7か所にあるグローバルビレッジセンターは、外国人住民と韓国人が共にコミュニケーションを取り、成長する多文化交流の中心地としての役割を果たす。各センターは、外国人住民の安定した定住のために、地域特性に合わせた韓国語教育、生活相談、法律・医療サービス、子どもの放課後プログラム、心理・情緒相談など様々なプログラムを運営。料理教室や伝統遊び体験により韓国人と外国人が共に参加する機会を提供し、ボランティア活動や自助会を運営して外国人住民が地域社会に自然に溶け込めるようサポートする。
お問い合わせ +82-2-2199-8883~5(イテウォン(梨泰院)グローバルビレッジセンター)
イテウォン(梨泰院)グローバルビレッジセンターでの教育とボランティア決算交流
海外で生まれて韓国に中途入国した多文化家庭の子女である中途入国青少年が安定的に韓国社会に適応して成長できるように手助けし、希望と機会を提供する専門支援機関。卒業程度認定試験対策クラスやオーダーメイド韓国語教室、放課後メンタリングなどの様々な教育プログラムにより青少年の学力を強化し、文化・芸術サークルや韓国文化を理解するための活動により社会適応をサポート。青少年の自立を助けて自信を持てるようにするために、相談と連携プログラムも運営する。
お問い合わせ +82-2-2678-7191
結婚による移住に限らず、就労、留学、難民など様々な在留資格の移住女性を対象に、暴力被害や危機的状況について総合的なサービスを提供する専門機関。生活相談、心理相談、法律・医療サービス、シェルター提供などのワンストップサービス体制を整え、被害女性の自立を支援するプログラムも運営している。また、大学と協定を結んで女性留学生のセーフティネットを構築し、ジェンダー暴力の予防教育と10か国語の教材を活用した意識向上活動を行っている。
お問い合わせ +82-2-733-0120
ソウル外国人住民センター
外国人住民の安定した定住と生活基盤づくりをサポートして自立の機会を提供するため、生活相談、韓国語教育、法律相談、無料診療所などの基本的なサービス、地域特性に合わせたカスタムプログラムを運営する機関。ソウル外国人住民センターがソウル外国人住民施設の拠点となり、東部エリアの拠点となる東部外国人住民センターをはじめ、ウンピョン(恩平)区・ソンブク(城北)区・カンドン(江東)区・ヤンチョン(陽川)区・クムチョン(衿川)区にそれぞれセンターがある。6か国語対応の生活・法律・労務・心理相談サービスにより様々な問題を解決できるように手伝う一方、市民の権利に関する教育や韓国語教室、デジタルスキルアップ講座などにより外国人住民が社会的役割を果たせるようにサポートしている。また、自己啓発や就職・創業のための講座、自助会やコミュニティ活動などのネットワークづくりもサポート。このほかにも、社会統合プログラム(KIIP)や文化の多様性を反映した教育プログラムにより、外国人住民が韓国生活にうまく適応できるように導いている。
お問い合わせ +82-2-2229-4900(ソウル外国人住民センター)、+82-2-478-0126(東部外国人住民センター)
「医療機関の案内など様々なサービスを提供していただき、とても便利でした。相談員の方々が親切に必要な情報を提供してくださり、とても助かりました。質の高いサービスをありがとうございました。これからも多くの外国人の力になっていただければと思います」
– ハイレ・ゲブレセラシェ(エチオピア)
「電話で応対してくださった方と弁護士の方のお二人に大変お世話になりました。カナダでなら難なく解決できた法的問題も、韓国では理解して対処するのが大変でしたが、お二人に助けていただいたおかげで胸をなでおろしました。これからも助けが必要な時はよろしくお願いします。ありがとうございました」
– エマ・ウィリアムズ(カナダ)
「TOPIK対策クラスの受講生です。ソウルグローバルセンターの講座は、試験対応能力を向上させるのにとても役立ちます」
– ハナ・ミュラー (ドイツ)
「韓国で2年間働いていながらも韓国の組織文化について知らないことが多かったのですが、ビジネス韓国語講座で足りない部分を補うことができました」
– 鈴木あきこ(日本)
「移住者や難民が母国語で問題について説明する機会を提供していただき、ありがとうございました。言葉の壁を越えて問題を解決するのにとても役立ちました。韓国政府と関係機関がこれからも問題解決に向けた政策を多数打ち出してくれればと思います」
– ティムール・イスマイロフ(ウズベキスタン)
ソウルに居住する外国人が直接ソウルの市政に参加できる窓口として、日常生活で感じる不便な点を外国人住民の視点に立って把握し、改善を提案して政策に反映させるプログラム。2012年から運営されているこのプログラムは、外国人住民がソウル生活で感じる不便な点をモニタリングして改善策を提案する活動により、ソウル市の外国人住民政策と生活環境の改善に貢献している。
募集方法 上半期中にソウル市ホームページとソウル外国人ポータルに募集のお知らせを掲載(2025年の募集は終了)
ソウル外国人ポータルはこちら
出典:ソウルサランホームページ(韓国語) https://love.seoul.go.kr/articles/10259
文 キム・ヨンジュン 写真 パク・ジュンソク