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環境/エネルギーニュース

  • 国内最大規模の下水熱リサイクル暖房供給施設が稼働

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    ソウル市は、タンチョン(炭川)水再生センターからハンガン(漢江)に捨てられていた下水熱をリサイクルし、年間2万世帯に地域暖房を供給する「タンチョン(炭川)下水熱利用熱供給施設」の設置を完了しました。民間投資事業(BOT)として2013年10月に着工したこの事業は、工事に14カ月要しました。この施設は韓国最大規模で、ソウル市では初めて試みられる下水熱利用熱供給施設です。

    下水熱活用システムは、スウェーデンやノルウェーといった北欧などでは第1・2次オイルショック以来広く利用されていましたが、韓国では小規模の建物の冷暖房にしか利用されていませんでした。

    タンチョン(炭川)水再生センターは、カンナム(江南)地域4カ所、ハナム(河南)市、クァチョン(果川)市で発生する下水を一日平均約80万トン処理する生活下水処理施設で、今回竣工した下水熱利用地域暖房生産施設は、同センター内のハンガン(漢江)に下水が捨てられる放流区(2次処理場)近隣の地下に1434平方メートル規模で設置されました。

    熱生産の主要設備は、1時間当たり9ギガカロリー(Gcal)の熱を生産できるヒートポンプ7台、熱供給管、電気室で、1時間当たり最大で63Gcalの熱量を生産できる規模です。

    石油に換算して年間2万TOEのエネルギー生産による150億ウォンの石油輸入代替効果と、温室効果ガス4万4000トンのCO2削減による松の木31万6000本分の植栽効果が見込まれます。

    ソナム(西南)水再生センター下水熱利用マゴク(馬谷)暖房供給事業 2015年上半期に着工

    一方、ソウル市は、市が運営するソナム(西南)、ナンジ(蘭芝)、チュンラン(中浪)水再生センターの放流水も段階的に暖房熱として活用する計画です。現在、タンチョン(炭川)、ソナム(西南)、ナンジ(蘭芝)、チュンラン(中浪)の4つの水再生センターが、一日平均439万トンの下水をハンガン(漢江)に放流していますが、放流水は冬の間も11度前後の潜在熱があり、これを積極的に活用する計画です。

    まず、2段階事業として、2015年上半期にソナム(西南)水再生センターで事業に着手し、年間19万Gcalの暖房用水をマゴク(馬谷)都市開発地区に供給する計画です。

    ソウル市は、タンチョン(炭川)を皮切りに、ソナム(生産)水再生センターなどの下水処理施設と地下鉄駅舎から発生する地下水などを活用する水温度差エネルギー開発事業をさらに積極的に推進していく計画で、積極的な環境エネルギーの開発・利用により2020年までに電力自給率20%を達成したいとしています。

    ※下水熱利用事業:下水は年間を通して水温の変動が少なく、冬でも平均11度前後と一定であるため、下水に含まれる潜在熱をヒートポンプ(冷媒の蒸発熱または凝縮熱を利用し低温の熱源から高温の熱源に熱を伝達する装置)で温度を上昇させ、地域暖房用温水を生産する事業

    タンチョン(炭川)下水熱利用地域暖房供給施設の鳥瞰図

    下水熱利用地域暖房供給図

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