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[2012] 市長挨拶

  • 労働の常識を取り戻します

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    ソウル市の非正規雇用から正規雇用への転換発表

    月日:2012年3月22日 会場:ソウル市庁西小門庁舎ブリーフィングルーム

    ソウル市民の皆様。私は本日、この場でソウル市の「労働の常識を取り戻そう」と思います。同じ仕事をしながら差別を受けることのないよう、よい仕事をしている人が単に非正規雇用だからという理由で解雇されることのないよう、ごく常識的な社会づくりに向けて一歩を踏み出そうと思います。

    ソウル市は5月1日から非正規雇用の労働者を正規雇用に切り替えます。対象となる1054人は、2年以上ずっと通常業務を行ってきた非正規雇用の労働者です。今後は新規採用も正規雇用として採用する予定です。また、今回正規雇用にならない非正規雇用の労働者も、差別を受けることのないよう処遇を改善します。

    それでは、ただ今から「ソウル市の非正規雇用から正規雇用への転換計画」を発表いたします。現代は非正規雇用600万の時代です、もはや非正規雇用は他人事ではありません。自分の両親、兄弟姉妹、子どもたちに関わる問題です。自分の友人、隣人に関わる問題です。

    具体的には、ソウルで暮らす労働者の100人中34人が非正規雇用です。全国でも労働者全体の34.2%(600万人)が非正規雇用です。特に、20代の労働者の31.6%(108万人)が非正規雇用です。将来を担う若者が不安と差別の中で社会生活の第一歩を踏み出しているのです。

    非正規雇用にとって最も大きな負担は不安と差別です。「いつ解雇されるかわからない」という不安は、精神的に落ち着きません。彼らの不安は冷酷な現実となりました。非正規雇用の半分以上が雇用から1年足らずで辞職しなければなりませんでした。同じ仕事をしても賃金は正規雇用の半分程度で、賞与金、退職金、国民年金・健康保険加入でも差別を受けていました。

    非正規雇用は、安い人件費を優先して人への投資を疎かにした近視眼的な雇用策です。短期的に利益が出たとしても、仕事の持続性と専門性が保たれないので、結果的には逆に効率性が下がります。何より不安定で劣悪な雇用は、ワーキングプアを生み、格差問題を深刻にしました。

    非正規雇用の問題は単なる「労働問題」にとどまりません。非正規雇用の問題は、社会の統合と持続可能な未来の発展のために何としても解決すべき課題です。

    これからソウル市は労働の常識を取り戻していきます。汗を流して働く人が称賛され、頑張って仕事をする人が幸せになれるソウル市を目指します。

    正社員が必要な職場では正社員が雇用され、働く人がやりがいを持って仕事できるよう人への投資を行います。人への投資はクリエイティブな付加価値の創出につながり、結果的に社会の効率性を高めるでしょう。ソウル市では、5月1日から通常業務を継続的に担当する非正規雇用の労働者1054人を正規雇用に転換します。非正規雇用の労働者をこれ以上量産しないためにも、今回の転換対象となる業務については、今後の新規採用する場合も正規雇用での採用を原則とします。今回は転換対象にならなかった非正規雇用の労働者にも不当な差別が行われないように、福祉ポイントや祝日休暇費を与えるなど処遇を改善します。

    まず、第1段階として転換基準を満たした非正規雇用の労働者を100%正規雇用に転換します。

    第2段階として、今回転換されない民間委託や派遣、役務など間接雇用労働者に対する改善策を下半期に講じます。そして、無期契約社員全般に対する職制・賃金体系を見直します。こうした非正規雇用問題を解決する追加予算として総額62億 3,100万ウォンを投じます。

    正規雇用中心の雇用は、韓国の経済と社会を強固にするための人への投資です。ソウル市はその模範となり、他の公共機関と民間企業も参加できるよう主導してまいります。

    ソウル市の非正規雇用の転換は、遅すぎた措置かもしれません。既に非正規雇用の労働者たちは傷つき疲れきっています。ソウル市は非正規雇用の労働者に寄り添い、支えになってまいります。本日を出発点として、ソウル市は労働の常識を取り戻す長い道のりの第一歩を踏み出しました。非正規雇用問題の解決は、どんなに遠い道でも必ず到達しなければならない道です。ありがとうございました。

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