クァナクサン(冠岳山)とプカンサン(北漢山)で夜の間につくられる冷たく澄んだ空気が、ソウル都心へと流れてくるように「風が通る道」となる森が河川や道路沿いにつくられることになった。風が通る道に松の木やカエデの木のような、PM2.5(微小粒子状物質)の低減効果のある木々を植え、空気を浄化させる道をつくる。
ソウル市は、▴クァナクサン(冠岳山)-アニャンチョン(安養川)一帯、▴プカンサン(北漢山)-ウイチョン(牛耳川)一帯の2か所に気候変動対応のための「都市パラムギル(風が通る道)の森」づくりに本格的に乗り出すと発表した。
ソウル市は森林庁と協力し、11月中旬、森の造成を開始して2021年末までに完成させる計画だ。
今回の「都市パラムギルの森」は、対象地によって3つのタイプに分けられる。①森林の新鮮な空気が都心の方に流れるように方向を誘導する「風生成の森」、②森林-都心を結ぶ通路に空気浄化能力のある植物を植える「連結の森」、③公園の造成や屋上・壁面の緑化など都心につくられる「ティディム(足場)・拡散の森」である。
中でも「連結の森」には、オオヤマザクラの木やクヌギの木などソウル市が定めたPM2.5を低減させる樹種が植えられる。木の葉はPM2.5を吸着し、枝と幹は移動するPM2.5を遮断する役割を果たす。
もっと涼しい河川の森
「風生成の森」は、森林の空気が都心の方向へと流れるように誘導し、「森づくり」で風の通路をつくり、PM2.5を低減する樹種を植える方法で造成される。
新鮮な風が作り出される「風生成の森」
「ティディム(足場)・拡散の森」は、都心の公園や建物の外壁などを利用して小さな森をつくることで、気温差によって微風を作り出す仕組みとなる。
澄んだ風を作る「街路の森」
ソウル市は「都市パラムギルの森」により、都市の外郭にある森林の空気を都心へ流入・拡散させ、停滞した大気の循環を促すとともに、PM2.5の低減とヒートアイランド現象の緩和、さらには快適な緑の環境を提供するという目標を掲げている。