ソウル市はかつて2011年に、世界で初めて「給電ワイヤレス充電」技術を導入して、特別に有線で充電する必要なく乗客が乗降車する区間に停車しているだけで、地面に設置されたワイヤレス充電装置を通じて充電が可能となったコキリ(象)列車に続いて、電気自動車のワイヤレス充電技術を、都心を循環する商用車にまで拡大する。
「ナムサン(南山)循環バス(01番)」と、2022年下半期に運行予定である「チョンゲチョン(清渓川)自律走行バス」がその対象であり、2022年内に充電装置などのインフラ構築を完了して、2023年から本格的に運営する。
韓国のワイヤレス充電技術は、大型電気バスを基準に6分程度充電した場合、21㎞以上の運行が可能である。有線充電とは異なり、車両に重たいコネクタをつなぐ必要なしに駐車・停車するだけで充電が完了するため手軽であり、体の不自由な運転者であっても充電に不便がないという点が長所といえる。
チョンゲチョン(清渓川)自律走行バスは、回送地点であるチョンゲ(清渓)広場停留所の道路にワイヤレス充電器(送信部)を設置することで、ワイヤレス充電装置(受信部)を取り付けた自律走行バスが乗降車等の待ち時間に停車する際に充電がなされることになり、充電容量は6分程度の充電であれば6㎞を運行できる。
ナムサン(南山)循環バス(01番)は、Nソウルタワー停留所及び車庫の地面にワイヤレス充電器(送信部)を設置し、運転者が休憩時間等に停車させて充電する方法で運営される。充電容量は約6分充電した場合21㎞以上の運行が可能であるため、有線充電をする必要なしに路線運行を可能となるようにする予定だ。
今回のテスト事業の運営結果を評価し、のちのち自律走行車、ナヌムカー、電気バス等に追加で拡大することを検討予定である。ワイヤレス充電が拡大した場合、公共交通機関は停留所における乗客の乗降車や走行中において随時充電が可能となるため、電気自動車の充電における利便性が高まることから、公共交通機関の電気自動車への切り替えがますます歓迎されることになるものと期待できる。
参考 1 ワイヤレス充電器設置予定の場所
チョンゲチョン(清渓川)自律走行バスのワイヤレス充電器設置場所
ナムサン(南山)循環01番バスのワイヤレス充電器設置場所