ヨイド(汝矣島)公園の約16倍(366万5千平方メートル)に上るソウル最後の大規模な未開発地、カンソグ(江西区)マゴク(麻谷)地区が水循環先導都市になる。
雨水の循環と再利用の必要性が叫ばれ、従来は老朽した歩道や駐車場を透水ブロックに交換するなど断片的な改善が中心だったのに対し、マゴク(麻谷)地区は建設段階から雨水を循環できる多様な施設を備えることになる。
歩道や車道などインフラはもとより、マンションや公園といったあらゆる施設に雨水管理施設を最大限に導入することは初めてで、市はマゴク(麻谷)地区が将来のソウル市を代表する水循環生態都市モデルになると期待している。
市の分析によると、マゴク(麻谷)地区の水循環計画の導入により、30年頻度ベースで約2%の洪水量低減効果があるという。また、地下水の増大や自然的なノンポイント汚染の低減などによる水質環境の改善、雨水の滞留時間を延ばすことによる都市ヒートアイランド現象の緩和、水資源の再利用による上水使用料の低減といった効果も期待される。推進方向は、①雨水の透水性を高める雨水管理施設の拡大設置、②捨てられる水の再利用の2つだ。
<歩道の透水性舗装、車道のすぐ横への雨水浸透枡設置、街路沿いの緑地帯の境界ブロック除去>
まず、65万569平方メートルの歩道は、できる限り雨水が自然に吸収される透水性舗装を施し、車両の重量に耐えられるようやむを得ずアスファルトで舗装する車道は、すぐ横に雨水浸透枡を設置して水はけをよくする計画だ。
歩道と車道の間にある街路沿いの緑地帯は、雨水の浸透を容易にするために境界ブロックを除去し、くぼみ型にして水はけをよくする。また、地面の中の浸透・滞留施設を拡充し、下水道に流入する前に雨水を最大限に溜める計画だ。
<公園・緑地には雨水庭園を形成、滞留施設の設置で浄化植物植える>
公園・緑地では、人工施設を最小限に抑え、自然緑地を最大限に活用する雨水管理施設を導入する。
地形を生かした自然浸透の誘導のために、くぼみ型・段階的地形を導入し、公園と緑地に形成される雨水庭園には雨水滞留施設を設置し、アシやガマといった浄化植物を植えることで、雨水を溜めて浄化させる。
公園の所々に設置される水路は、芝や砂利など自然の浸透性水路を設置して雨水の浸透を誘導し、一定の間隔に浸透桶を設置して土壌内の水はけをよくする。
<共同住宅・建築物の屋上緑化による都心ヒートアイランドの緩和、雨水滞留槽の設置で再利用>
共同住宅・建築物は、屋上緑化と雨水滞留槽の設置により、雨水の管理能力を高める。特に、民間の建築物では屋上の床面積の60%以上を緑化するよう誘導し、雨水の流出を遅らせ、都心ヒートアイランド現象を緩和させる。
また、緑化空間の他の屋上の集水面積は、雨水の滞留槽に流入させ、造景用水などで雨水を利用し、あふれた雨水は最大限に地下に浸透させる計画だ。
<下水処理水と地下鉄に流出する地下水を高度処理、造景用水やトイレ、清浄水などとして再利用>
ソウル市は、 ソナム(西南)水再生センターで捨てられる下水処理水、近隣の地下鉄5号線と空港鉄道から流出する地下鉄流出水などを積極的に再利用する案も同時に推進する。
まず、ソナム(西南)水再生センターで処理された後に捨てられる下水を高度処理して再生水として供給、マゴク(麻谷)地区の造景用水やトイレ清浄水、道路清掃用水などとして利用する計画だ。
再生水は、16年6月から段階的にマゴク(麻谷)地区に供給される予定で、再生水が民間のトイレの清浄水などとして使用された場合、1トン当たりの使用料は約450ウォンと従来よりも約400ウォン節約することができるため、積極的に奨励する計画だ。
また、近隣の地下鉄5号線と空港鉄道から流出する流出地下水(689㎥/日)は、中央公園の湖の維持用水などとして再利用される。
マゴク(麻谷)都市開発事業推進現況
○ 事業概要
– 面積:3665千㎡(カンソグ(江西区)マゴクドン(麻谷洞)・カヤンドン(加陽洞)一帯)
– 事業期間:07年12月~14年12月
○ 推進現況
– 団地建設:上・下水道や道路などインフラを工事中(進捗率約66%)
– 土地供給:産業団地、商業・業務用地の分譲進行中
– 共同住宅:16団地 1万2015世帯
第1段階:9団地6730世帯着工(11年9月)、入居(14年5月~)
第2段階:7団地5285世帯着工(13年12月)、入居(16年6月~)