日曜日になると東南アジアの人々でいっぱいになるフリーマーケットと聖堂がある。
ソウルにある東南アジアの街。
フィリピン街とベトナム街だ。
四季のはっきりしたソウルで暮らす東南アジアの人々は、どんな生活をしているのだろうか。その暮らしぶりを覗いてみよう。
日曜日の午前10時から午後5時まで、ヘファドンのトンソン(東星)高校ではフィリピンから仕入れた生活必需品や新鮮な野菜、トロピカル・フルーツなどが販売される。
バナナやシュガーフルーツ、ココナッツジュース、ロンガニーザ、トシノといったストリートフードが道行く人の足を止める。
韓国で暮らすフィリピン人たちは、週末になると自国の食料品を求めてここに集まってくる。
ここでフィリピン・マーケットが開かれるようになったきっかけは、ヘファドン聖堂でフィリピン語のミサが開かれ始めたことだ。1995年にチャヤンドン(紫陽洞)でフィリピン人のためのミサが開かれ、翌年からヘファドンに移って現在に至っている。
ミサで人が集まると、やがて聖堂周辺でフリーマーケットが開かれるようになった。フィリピン人たちはここで互いに励まし合い交友を深めている。
結婚移住者として韓国に来たイ・イェジンさんは、名前を韓国名に改名した。韓国で暮らし始めてもう11年になる。
ワンシムニで「アジアンマート」を経営するイさんは、「慣れない異国での生活に苦労した。でも、自分の店で同じ国の人と情報交換し、交流していくうちに心が癒され、力が湧いてきた」と話す。
このように、異国での生活で苦労しているベトナムの人々が交流し、支え合っている場所がワンシムニだ。まさにベトナム人の「集会所」といえよう。
この周辺には、ベトナム人が経営する飲食店がいくつかある。本場ベトナムの料理がどういうものか、気になる人はぜひこの街でフォー(ベトナム麺)を味わってほしい。
この街はソウルにいながら気軽にベトナムの雰囲気を味わうことができる。どの通りにもベトナム料理店があり、地下鉄の中でベトナム人を見かけることも珍しくない。
1992年の韓越国交正常化以来、ベトナム人の多くが経済大国になった韓国に渡ってきた。現在、結婚移住女性約6千人、多文化家族の子ども約1万人、留学生約3千人、労働者約7万人が韓国で暮らしている。
また、韓国にとってベトナムは多くの人材と資金を投じて開発を進める主な投資相手国でもある。