熱帯夜で寝苦しい真夏、ハンガンでは異色のイベントが繰り広げられる。ソウルには、真夏の夜にハンガンでしか体験できない「ハンガン文化」がある。この時期、ハンガンは映画館にもなり、ビアガーデンにもなり、一晩過ごせる宿泊所にもなる。
コンビニの前に座ってビールを飲んだり、涼しい川風を浴びながらテントで一晩過ごしたり、真夜中に橋の下に座って映画を見たり、月明かりの下で自転車に乗ったりすることもできる。
ソウル・ハンガンで夏の夜を楽しく過ごす方法を紹介しよう。夏になると、サマーフェスティバル「ハンガン・モンタン」がハンガン公園11カ所で一斉に繰り広げられる。あれもこれもしたいけど、夜は短い。楽しさ倍増のソウルの夏の夜。早く寝るなんてもったいない。
夏のハンガン!思う存分楽しもう!
夏になるとハンガンには異色の映画館が登場する。ハンガン公園の8カ所の橋(マンウォン(望遠)・ソンサン(城山)大橋、トゥクソム・チョンダム(清潭)大橋、ヨイド・ウォンヒョ(元暁)大橋、クァンナル・チョンホ(千戸)大橋、カンソ(江西)・パンファ(傍花)大橋、ヤンファ(楊花)大橋、パンポ(盤浦)・トンジャク(銅雀)大橋、チャムォン(蚕院)・ハンナム(漢南)大橋)の下で無料で映画を鑑賞することができる。上映される映画は各会場のテーマによって様々。都心の一番「涼しい映画館」で映画を楽しもう。
また、ハンガンは、ストリート・アーティストらによるハイレベルなパフォーマンスを真夏の夜に野外で楽しめる唯一の空間でもある。照りつける太陽が沈み、ハンガンが月明かりに照らされる夜、コメディや異色のパフォーマス、Bボーイ、フラッシュモブなど、楽しい公演がハンガンで繰り広げられる。「ハンガン・ストリートパフォーマンスフェステバル」は夏の夜(18~22時)に開かれる。
サマーキャンプも楽しめるのがハンガン。トゥクソム、チャムシル(蚕室)、チャムォン、ヨイド、ヤンファ・ハンガン公園の5カ所にキャンプ場530棟が設置され、午後3時から翌日午前11時まで1泊2日のキャンプができる。テントのレンタルは4人用2万ウォンと手頃な料金。
テーブル、椅子、アイスボックスは別料金でレンタルでき、シャワー施設やバーベキューゾーン、物品レンタル所などもある。真夏の夜、息苦しい都会から抜け出してキャンプで楽しい夜を過ごそう。
家族みんなで野外プールでエアースライドを楽しめば、夏の暑さも吹っ飛ぶ。水質管理が徹底された幼児用プールや大人用プールなど、広くて快適な空間で水遊びを楽しめる。シャワー施設や更衣室、パラソルなども利用できるほか、いろいろな飲食施設もある。
ヨイド・ハンガン公園では、ヨット、カヤック、ゴムボートを誰でも無料で体験できるほか、シーソーの原理で重力を利用してロケットのように空中に飛び上がった状態からハンガンに飛び込む「ブロップ・ジャンプ」も体験できる。また、ハンガン水鉄砲フェスティバルに参加すれば、総延長150メートルに及ぶ超大型ウォータースライダーや水風船、水鉄砲を楽しむことができる。
ハンガン・ボックスワンレースは、手造りの段ボールボートによるレースという異色の大会で、世界各国で行われている人気イベントの一つ。チャムシル・ハンガン公園(ゲートボール場横)で行われる。
ヨイド・ハンガン公園内にある水上ステージ「ヨイド・カスケード」では、「ハンガン・モンタン」が開かれる8月の一カ月間、毎週末午後6~9時の3時間にわたり、フュージョン国楽やミュージカル、ジャズ、大衆歌謡、楽器演奏などの公演を無料で楽しめる。
視界を遮るもののない開けたハンガンからは、土星、金星、月を見ることができる。ハンガンでは、天体観測を体験できるだけでなく、マジックを無料で学ぶこともできる。日中は太陽黒点観測、夜は天体観測、曇りの日は天体望遠鏡の操作体験や星のフェイス・ペインティング、星に関するクイズ、星の描画、折り紙星、星占いなど、様々なイベントが開かれる。
水上レジャー・スポーツ体験教室やハンガン・モンタン夏の生態学校など、子どもたちが普段経験できない様々な体験・自然学習プログラムも行われる。アヒルボートレースや水上レジャー・スポーツ体験教室が開かれる会場には多くの家族連れが詰め掛ける。
「速く!もっと速く!」。水上レジャー・スポーツ体験教室で初めてカヤックに挑戦した家族は、気ははやるがオールを漕ぐスピードが上がらず、なかなか前に進まない。子どもたちはテンションが上がって大喜び。よき思い出になりそうだ。ハンガン・モンタンの期間中、常時行われるブロップ・ジャンプ体験などはソウル市民のみならず外国人観光客にも人気。また、パンソリ公演やナムサダン(男寺堂)遊び、伝統遊び体験など、高齢者向けの様々なイベントも開かれる。