ソウル市は今年の2月からソウル市内の公共交通機関環境をバリアフリーにするため、活動を続けている。これは身体障害・視覚障害・聴覚障害などのタイプ別の障害者や専門家など、計10人によって構成された民間団体「マシルグループ」が取り組んでいる。
マシルグループは3月、計8つの事業対象の候補地からソウルの森、国立中央博物館、ソウル駅の3ヶ所を検討対象地として定めて調査を行った結果、「トゥクソム駅→ソウルの森への道」が最終的に選ばれた。現場調査は対象地の一点を目的地に定め、障害者が公共交通機関、移動利便施設などによりアクセスするという「現場体験方法」により行われた。
車椅子の利用者が移動しやすいよう、①歩道の幅の確保、②バス亭の乗下車の空間改善、③歩道の段差の除去、または緩やかな傾斜路の設置などを設計に反映するよう検討する計画である。また視覚障害者のために、①案内表示板の改善など、②歩道上の障害物の除去、さらに聴覚障害者のために、③誘導ブロックの設置および整備、様々な改善案を作る計画である。
これは、交通弱者(交通事故の被害に遭いやすい人という意)が対象地の選定から設計、施工過程、事後モニタリングに至るまで、すべての交通環境の改善過程に参加する初めてのケースである。このように「バリアフリー公共交通利用環境造成事業」の開始段階から交通弱者の意見が反映されることにより、不必要な試行錯誤が省けると同時に、交通弱者を含む市民の交通の利便性が高まると期待されている。