<設計競技当選作 – Museum of Daily Life、キム・チャンジュン作>
「西ソウル美術館」は▴未来型美術館、▴ポストコロナにおけるカスタマイズ型美術館、▴アジア文化芸術の交流中心美術館、▴日常の中の美術館というテーマで運営される予定だ。 その一、「西ソウル美術館」は単純に絵画・彫刻などの作品を展示する美術館から脱却し、デジタル(ニューメディア)と融合芸術を基盤とした「未来型」美術館となる。過去の工業地帯から今日のIT、ファッションなど多彩な産業が共存する地域へと変化してきた西南圏の地域の特性を融合芸術へと昇華させ、観客と芸術家のどちらにも新しい経験を提供する。 このような未来型美術館の中心空間は、デジタル基盤のスタジオ型空間である「インターメディアラボ(多メディア研究室)」と融合型展示空間である「メディア劇場」だ。 「インターメディアラボ」は芸術家が人工知能、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)などの第4次産業技術と音・動きなどの様々な感覚を活用して創作活動が行える。「メディア劇場」では、映像作品と公演を組み合わせた融合型展示を披露する予定だ。 その二、ソウル市は新型コロナウイルス感染症以降、美術館が進むべき方向に関してもしっかり考慮している。直接美術館を訪問しなくても、まるで展示室の中にいるようにリアルに観覧し、美術館の教育プログラムにも参加できるポストコロナ時代に合わせた「非対面(オンライン)」サービスも開発する。 その三、ソウル市立美術館の新しい分館として「アジア文化芸術の交流中心美術館」に特化する。このため、アジア各地域の美術館・機関・団体と緊密なネットワークを構築・拡張し、毎年韓国・海外の専門家を招待した展示・ワークショップなど様々な国際交流プロジェクトを行う予定だ。 その四、ソウル市は地域住民に身近な「日常の中の美術館」を作るため、様々なプログラムを企画中だ。「公園の中の美術館」という空間的特性を活かし、市民参加型の野外公共プロジェクトを進めることで、地域社会と芸術の調和を図る計画だ。 また、未来世代の文化芸術の主体である青少年を対象とした「融合芸術プログラム」、障害者・多文化・高齢者の観客が気軽に文化芸術に触れることができる「カスタマイズ型ドーセントプログラム」、芸術的情緒と創造的思考を養う「アートセラピープログラム」なども開発している。 一方、ソウル市は11月に南ソウル美術館で芸術家、専門家、市民とともに「西ソウル美術館」の役割と未来の可能性を模索するために公開討論会とワークショップを開催する計画だ。また、2021年からはアジア地域の美術館、芸術関連機関との本格的な交流も開始する。
<西ソウル美術館の建立対象地(黄色い点線)>
〈当選作の鳥瞰図 – 1〉
〈当選作の鳥瞰図 – 2〉
〈当選作の鳥瞰図 – 3〉
〈当選作の鳥瞰図 – 4〉
〈当選作の鳥瞰図 – 5〉
〈当選作の鳥瞰図 – 6〉
〈当選作の鳥瞰図 – 7〉