皆様、お目にかかれて光栄です。
ソウル特別市長のオ・セフン(呉世勲)です。
第3回「ニューシス韓流エキスポ」の開幕を心よりお祝い申し上げます。
韓流文化において未来に産業が成長するための足がかりを作り
ソウルのK-ビューティー産業について、韓国内外に向けブランディングするという
議論とフェスティバルの貴重な場を設けてくださった
ニューシス代表取締役をはじめ、関係者の皆様に感謝申し上げます。
そして、本日このように「ビューティー産業ブランディングカンファレンス」において
世界中の韓流ファンの皆様、そしてソウルのビューティー産業にご関心をお持ちの皆様に
ご挨拶することができまして心から嬉しく存じます。
K-POP、ドラマ、映画など韓流文化コンテンツは
アジアを越え、中南米や北米、ヨーロッパなど
世界中で愛されるポップカルチャーとなっており
韓国における海外輸出においても
軽視できない割合を占めています。
そして、韓流が世界中に広まることを受けて
化粧品、衣類、整形など韓国のビューティー商品も非常に人気を集め
新しい韓流文化コンテンツとして定着しつつあります。
ソウル市はこのようなK-ビューティー産業が、ソウルの未来を担う目玉産業の1つであり、
都市競争力を牽引するエンジンの1つであると考え、
さまざまな発展および育成政策を通じて
世界的なビューティー中心都市への進化を準備しております。
そして、本日まさにこの場こそが
進化のための導火線となることを期待しております。
皆様もご記憶のことと存じます。
10年前、ソウルは世界で10番目前後の都市競争力を持つ都市でした。
そして、もう少し努力すれば
ニューヨークやロンドン、パリと肩を並べる
世界5大都市へと成長できるという期待と夢、希望を輝かせていました。
しかしこの10年間、ソウルの夢はあっけなく崩れ去ってしまいました。
2010年に10位だったグローバル都市指標は、2020年には17位に下落してしまい、
2011年に11位だった国際金融センター指数も
2020年は25位に急落しました。
再び勢いのあるソウルを取り戻し、下がってしまった都市競争力を引き上げて
グローバル5大都市を目標として再び大きく跳躍することが
今のソウル市に与えられた第1の課題です。
そして、この課題を実践するために
未来ロードマップである「ソウルビジョン2030」を策定しました。
「ソウルビジョン2030」の中心となるキーワードの1つは
「未来感性都市、ソウル」です。
「未来感性都市、ソウル」とは
人と企業、資本、技術と情報を惹きつける
ソウルならではの魅力を回復して
ソウルを、世界中の人々が行きたい、住みたい、投資したいと思えるような
世界的な感性都市にすることが目標です。
そして、その魅力の要諦としてソウル市が注目しているのが
新しい韓流文化コンテンツとして定着している韓国のビューティー産業です。
ビューティー産業は感性とウェルビーイングを志向する
新しい消費トレンドともマッチしているため
持続的な成長が予想される未来産業であり
高付加価値の雇用を生み出す未来雇用産業です。
実際に、現在の世界的な化粧品市場の規模は
2019年時点で4996億ドル、約569兆ウォン規模で、
毎年5.3%の成長が予想されています。
特に韓国の化粧品の輸出規模は
2020年時点で約76億ドル、8兆2千877億ウォンで、
2019年と比べて16%成長し
韓国はフランス、アメリカに続く世界第3位の化粧品強国として浮上しました。
その中でも、ソウルは
世界100大化粧品企業にランクインした
4つの韓国企業の本社があるだけでなく、
韓国内における化粧品責任販売企業の45.7%がソウルに所在しており
グローバルビューティー都市として成長可能性の高い
優秀な環境が揃っています。
ビューティーはファッション、観光、マイス(MICE)産業まで
無限に発展できる拡張性を持った産業であるという点を考えると、
ビューティー産業の潜在力は、化粧品産業だけに留まりません。
実際に韓国観光公社の研究によると、
音楽やファッションなどビューティー観光と関連性のあるコンテンツが
観光客に高い満足度を与えているそうです。
K-POPやK-ドラマなどの韓流を通じて
世界中に広まったソウルの魅力に加え、
ソウル固有のビューティーと美しさを重ねた観光商品を開発できるならば、
化粧品とビューティー、ファッションとグルメ、ウェルネスなど
さまざまなビューティー活動を体験し、消費するためにソウルを訪れる
韓国・海外の観光客の需要は今後も増え続けるだろうと確信しております。
そこで、ソウル市はさらに体系的なビューティー観光を推進するために
専門機関のコンサルティングにより、課題を綿密に洗い出しています。
まず、ビューティーに関連した多彩な観光商品と旅行コースを開発して
ビューティークリエイター、ビューティーフラッグシップストアなどとの協力方法を策定し
ビューティー観光都市としてのソウルの知名度を高めていく計画です。
特に、「大韓民国ファッションの一等地」として名声を馳せた
「トンデムン(東大門)ファッション特区」は
この場所でしか楽しめない
さまざまな見どころや楽しみどころがあり
新しい活力があふれる「トンデムン(東大門)ビューティー特区」へ生まれ変わるでしょう。
10年前、ソウル市が「世界デザイン首都」というビジョンの下、構築した
ソウルのデザインランドマークであり魅力資産である
トンデムン(東大門)デザインプラザ(DDP)と近隣のトンデムン(東大門)ファッションタウン特区は
Nソウルタワーに続いて、2番目に外国人観光客が多く訪れる
ソウルの代表的な観光スポットとして生まれ変わりました。
現在は新型コロナウイルスの影響により苦境を迎えてはいますが、
トンデムン(東大門)地域が持つさまざまなファッションとデザインコンテンツに
ビューティーと韓流の勢いが加われば
再び韓国・外国人観光客の足をトンデムン(東大門)に引き寄せることができます。
今、ソウル市は、ビューティー産業がソウルの強力な成長動力となるように
関連インフラを構築し、育成する
具体的なアクションプランを策定中です。
世界的なビューティー中心都市として、ソウルの未来成長潜在力を高め、
ソウルの文化と味覚、嗅覚、景観まで包括する
ソウルの感性と美しさをブランディングしてまいります。
そして、「最新のグローバルビューティートレンドが知りたければソウルへ行くべき」となるよう
ソウルの新ブランドを作ってまいります。
本日のカンファレンスで
ソウルのビューティー産業の成功戦略およびブランディング方法に対して
充実した豊かな議論が行われることを期待しております。
お忙しい中、ご参加いただいた韓国・海外の専門家の皆様に、重ねて感謝申し上げます。