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[2012] 市長挨拶

  • ソウル発展の力になってこられた高齢者の皆様、今度はソウルが力になります

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    「幸せな老年期、人生二毛作都市ソウル高齢者総合計画」記者説明会

    月日:2012年10月30日 会場:ソウル市庁ブリーフィングルーム

    ソウル市は高齢者100万人時代となりましたが、高齢者の皆様の現実は決して余裕のあるものではありません。大学生に尋ねたことがあります、「ソウルのお年寄り」といえば何を思い浮かべますかと。最も多かった回答は、「チョンロ(鍾路)」「チョンミョ(宗廟)」「タプコル公園」でした。私も宗廟広場とタプコル公園の周辺に行きましたが、1千人以上いるお年寄りの大半は、囲碁や将棋を楽しんだり、それを見物したりしていました。私は悩みました。どうすればソウルのお年寄りが一日一日を楽しく生産的に過ごせるだろうかと。そして、その悩みの結論を本日発表する「高齢者総合計画」に盛り込みました。

    本日発表する内容は、スタートに過ぎません。これから更に工夫してソウルのお年寄りが安定して生きがいのある「第二の人生」を送れるよう、最善を尽くして取り組んでまいります。

    今の高齢者世代は、朝鮮戦争や産業化、民主化などの過程で、近現代史の変化と試練を耐え抜いてこられた方々です。青年期にそうした経験をしてこられたのです。そしてまた、国家発展の主役として韓国を世界15位以内の経済大国に押し上げ、スポーツや文化、外交など様々な分野で世界における韓国の地位を高めてこられた世代です。私たちはそれを忘れてはいけません。

    しかし、その見返りはどうでしょうか。現在ソウルで暮らすお年寄りの暮らしはどうでしょうか。高齢者の数は100万人を超えましたが、一人暮らしの高齢者は20%にも上ります。高齢者の貧困率は45%で、OECD加盟国の平均の3倍、自殺率はOECDの中で最高という実情です。社会の無関心のために、ソウルで貧困、病気、孤独、無為という老年期の4大困難に直面しています。

    しかも、今後は元気で能力のある若々しい高齢者が急増する見通しです。経済成長と医学技術の発達、ベビーブーマー世代が老年期を迎えることがその背景です。その人口は約240万人に上ります。ソウルは、世界のどの都市よりも高齢化が急速に進み、保健、福祉、安全、雇用のニーズが増加し続けています。今こそ高齢者の暮らしは苦しいものという考え方を改めなくてはいけません。高齢者が幸せに暮らしてこそソウル市民も幸せに暮らせると考えなくてはいけません。ソウルの高齢者の権益保護と所得保障、健康を守るために社会的な関心と責任が必要な時です。それは私たちの義務でもあります。

    従って、ソウル市の高齢者政策は変わります。高齢者の年齢や健康など類型別にニーズを把握し、それぞれに合わせた特化政策を取らなくてはなりません。ベビーブーマー世代と中年世代に政策の対象を拡大し、大規模施設を中心とする支援よりも既存の地域資源を共有・連携して、実質的に高齢者の暮らしを支援することに政策の焦点を合わせてまいります。各政策も統合的かつ戦略的な方向性で連携して効率を上げ、持続可能な高齢者福祉の新しいパラダイムをつくってまいります。

    こうした高齢者総合支援の策定に向け、今年4月に「引退後の第二の人生設計をどうすべきか」というテーマで政策ワークショップを開きました。これが出発点でした。ソウル市は高齢者福祉館や敬老堂などの施設を視察し、高齢者や福祉専門家、高齢者団体の会員、福祉施設の職員などから、計22回にわたり500人以上の意見を聞きました。そして最終案を取りまとめました。

    「ソウル高齢者総合計画」は、政策対象の拡大、各個人に合わせた特化政策、地域資源の連携・共有の新たな3つのパラダイムに基づいて策定されました。「ソウル高齢者総合計画」は、第二の人生設計を支援すべく、各個人に合った職場を提供し、一人暮らしの方の世話を充実させて元気な老後を支えていきます。高齢者専用住宅を供給して高齢者が暮らしやすい環境を整備するとともに、活気に満ちた余暇・文化生活を支援し、尊重と世代統合の文化を形成する計6分野、35の事業で構成されています。このうち、新規事業が21件、拡大・強化事業が14件あります。全ての事業を有機的に連動させて高齢者の参加を促し、福祉の好循環を生み出すことによって幸せな「老年期人生二毛作都市ソウル」をつくってまいります。

    ソウル市は今回策定した総合計画をもとに、市民の高齢者に対する印象と理解度を高め、高齢者に対するポジティブなイメージが現在の54.8%から2015年には63%まで向上するよう取り組んでまいります。また、就職率は2015年を目処に30%、福祉施設の利用率は17%、療養・介護サービスの利用率は10%に上昇させ、10万人当たりの自殺率が64.4人から58.4人に下がるよう取り組んでまいります。ソウル発展の力となってこられた高齢者の皆様に、今度はソウルが力になる番です。