- 入居企業約80社、第2四半期売上約152億ウォン、国内外から375億ウォンの投資誘致に成功
- 車用インフォテインメント、文書電子化サービスのAI系企業2社がそれぞれ100億ウォン以上誘致
- 今年の新規入居企業80社→100社に拡大、非入居企業109社を対象に企業支援「メンバーシップ」
ソウル市のAI・人工知能分野の技術系起業育成機関「AI良(ヤン)才(ジェ)ハブ」に入居し、全面的な支援を受けているAI系スタートアップが、コロナ禍でも400億ウォンに迫る投資の誘致に成功し、成長を続けている。
ソウル市は「AI良才ハブ」に入居する約80社の今年第2四半期の売上は約152億ウォンで、国内外から375億ウォンの投資を誘致したことを明らかにした。特に投資誘致では、昨年1年間の誘致総額が521億ウォンだったことから、わずか2四半期で前年の70%を達成する成果を上げている。
入居企業のうち、車用インフォテインメント・ソリューション専門企業(株)DRIMAES(2021年3月入居)と文書電子化サービスの(株)AKUODIGITAL(2021年3月入居)はそれぞれ125億ウォンと139億ウォンの新規の投資誘致に成功し、頭角を現している。
また、別の入居企業Neurocleは、専門的な知識がなくても手軽に活用できるディープラーニング、ビジョンソフトウェアを開発し、科学技術情報通信部が主催する「2021大韓民国ImpaCT-ech大賞」で韓国情報通信振興協会長賞を受賞した。Rocket Viewは値札を撮影して検索すると欲しい情報を得られるOCR基盤のモバイルサービス「チッコム」をリリース。アプリのダウンロード数はすでに20万を超えている。
こうしたAI企業の成長の背景には、全面的な支援を惜しまない「AI良才ハブ」の存在がある。「AI良才ハブ」では、民間の投資家(AC・アクセラレーター)や企業を中心に競争力あるAI企業を見出し、事業化に向けた資金やコンサルティング、メンタリングまですべての過程を密着支援している。新技術とアイディアを有するスタートアップと大手企業・中堅企業をマッチングし、共同技術開発や技術提携などビジネス面での接点を広げる事業も推進している。
ソウル市は今年、「AI良才ハブ」入居企業を約80社から100社に拡大するため、4回に渡り新規入居企業を募集した。今月13日に終了した「2021第4回新規入居企業募集」には、高い関心が寄せられる中、60社余りから申請があった。審査を経て最終的に選抜された企業には、独立型のオフィス20室か開放型オフィス32席が割り当てられる。
AI産業の裾野をソウル全域に広げるべく、非入居企業が「AI良才ハブ」の企業支援を受けられるメンバーシッププログラムも本格化している。昨年、試験的に50社を選定したが、今年は59社を新たに選定し、合わせて109社の成長を支援している。
ソウル市のファン・ボヨン経済政策室長は「新型コロナウイルスの影響で非対面技術が脚光を浴び新成長産業との期待が高まる中、入居企業が危機をチャンスに変えて売上と投資誘致の両面で成果を上げ、世界が注目する企業へと成長している」としながら、「今後も多くの人工知能系企業が『AI良才ハブ』で未来のAI産業の主役に成長できるよう最善を尽くして支援していきたい」と語った。