韓国を代表するオーケストラ、ソウル市立交響楽団(代表取締役:カン・ウンギョン)が、2018年11月25日~12月1日、ヨーロッパの3か国を巡回公演します。
ソウル市響は法人として独立して以来、ヨーロッパやアメリカはもちろん、日本や中国など全世界で公演を行い、韓国の文化使節としての役割を果たしています。今回の巡回公演では、スイス、イタリア、フランスの3か国5都市(スイス・ルツェルン、イタリア・ウーディネ、フランス・グルノーブルとパリ)で公演する予定です。このうち、スイスとフランスは初めての公演となります。
スイス出身の首席客演指揮者ティエリー・フィッシャー氏の指揮のもと、ピアニストのキム・ソンウク氏が協演します。また、ユン・イサン氏の『舞楽』とベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(*一部の都市ではシューマンのピアノ協奏曲)、そしてベルリオーズの『幻想交響曲』などを演奏します。
アジア最高のオーケストラと評価されるソウル市立交響楽団の心揺さぶるメロディーをヨーロッパの地でぜひお楽しみください。
- 公演日時及び場所:ヨーロッパ3か国(スイス、イタリア、フランス)、5都市
- – 2018年11月25日(日) 17:00 ヴィクトリアホール (スイス・ジュネーブ)
- – 2018年11月27日(火) 20:45 ウーディネ・テアトロ・ヌーボー (イタリア・ウーディネ)
- – 2018年11月29日(木) 19:30 KKL (スイス・ルツェルン)
- – 2018年11月30日(金) 20:30 MC2 (フランス・グルノーブル)
- – 2018年12月01日(土) 20:30 メゾン・ドゥ・ラ・ラジオ (フランス・パリ)
- 指揮:ティエリー・フィッシャー (首席客演指揮者) Thierry Fischer, conductor
- 協演:キム・ソンウク (ピアノ) SunWook Kim, piano
- 演奏:ソウル市立交響楽団 Seoul Philharmonic Orchestra
- プログラム
- – ユン・イサン、舞楽 Isang Yun, Muak
- – ベートーヴェン、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 / シューマン、ピアノ協奏曲 (*ルツェルン、グルノーブル)
Beethoven, Piano Concerto No.ano5 “Emperor” / ** Schumann, Piano
- – ベルリオーズ、幻想交響曲 Berlioz, Symphonie Fantastique
- 協賛:キア(起亜)自動車
- ソウル市立交響楽団公式ウェブサイト
2018年ヨーロッパ巡回公演の詳細スケジュール
※スイスとフランスは財団創立以来、初の公演
出演者のプロフィール
■ 指揮:ティエリー・フィッシャー Thierry Fischer, conductor
ティエリー・フィッシャーは2009年からユタ交響楽団の音楽監督として、2017年1月からはソウル市立交響楽団の首席客演指揮者として活躍している。現在、同楽団の首席客演指揮者としてはシーズンごとに4回以上の指揮および公演の企画などを行い、楽団の発展に貢献している。
彼はユタ交響楽団でハイドン、マーラー、ベートーヴェン、ニールセンの交響曲全曲演奏を成功させ、楽団創立75周年を記念して 2016年に開催されたカーネギーホールでのコンサートでは評論家たちの絶賛を受けた。また、ニコ・マーリー(Nico Muhly)、アンドリュー・ノーマン(Andrew Norman)、オーガスタ・リード・トーマス(Augusta Read Thomas)の委嘱作品をレファレンス・レーベルから発売した。マーラーの交響曲第1番(Symphonie Nr. 1 D-dur)のCDが好評を博したのに次いで、モルモンタバナクル合唱団(Mormon Tabernacle Choir)とマーラー第8番を録音し、発売した。このような功労が認められたことにより、最近2022年まで契約が延長された。
彼はボストン交響楽団、シンシナティ交響楽団、デトロイト交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBC交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団など世界最高レベルのオーケストラを指揮するとともに数多くの新作の世界初演を指揮・委嘱されてきた。最近では2017-18シーズンにアンサンブル・アンテルコンタンポランを初めて指揮、ハンス・ツェンダー編曲の『冬の旅』を演奏した。
また、彼は2006年から2012年まで BBCウェールズ国立管弦楽団の首席指揮者として活躍しながら、ハイペリオンやオルフェオなどからCDを制作して発売した。2012年にハイペリオンでオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団と録音したフランク・マルタンのオペラ作品『嵐(Der Sturm)』は、インターナショナル・クラシカル・ミュージック・アワード(オペラ部門)を受賞した。
■ ピアノ:キム・ソンウク Sunwook Kim
18歳という幼い年で世界的なピアノコンクールであるリーズ国際ピアノコンクール(2006)で優勝したピアニストのキム・ソンウク。彼は同コンクール開催40年目にしての最年少優勝者であると同時に、アジア初の優勝者でもある。彼が決選でマーク・エルダーの指揮のもとに演奏したブラームスのピアノ協奏曲第1番は全マスコミにより絶賛され、その後、同世代で最も優れたピアニストとして世界的に名を広めていった。これまでロンドン交響楽団(ガーディナー、ハーディング)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(チョン・ミョンフン)、ベルリン放送交響楽団(ヤノフスキー)、NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(旧ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)、フィンランド放送交響楽団(オラモ、マンゼ、ソヒエフ)、フィルハーモニア管弦楽団(アシュケナージ、ヴァルチュハ、ガーディナー)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(シナイスキー)、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(チョン・ミョンフン)、NHK交響楽団(シュテフェンス)、ハレ管弦楽団(エルダー)、ボーンマス交響楽団(カラビツ)など世界最高級の交響楽団の定期公演に招待され、協演してきた。
そして彼は2018/19シーズンにおいて、ミルウォーキー交響楽団と協演してアメリカの交響楽団との初めての演奏を成功させ、名古屋フィルハーモニー交響楽団にもデビューする。また、BBCフィルハーモニックやボーンマス交響楽団の公演にも再び招待され、ソウル市立交響楽団のヨーロッパツアーに協演者として出演する。室内楽ではイシュトヴァーン・ヴァルダイとの香港演奏の他、ロンドンのショパン協会やウィグモア・ホール(Wigmore Hall)、エクサン・プロヴァンス音楽祭などでの演奏が予定されている。
ベートーヴェンのピアノソナタ第21番「ワルトシュタイン」、ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」を収録したキム・ソンウクの初のリサイタルアルバムは、2015年 ACCENTUS MUSICレーベルから発売された。次いでフランク&ブラームスを収録した2枚目のアルバムが発売され、3枚目のアルバムにはベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」が収録された。協奏曲アルバムは2枚制作されている。DGから発売され、チョン・ミョンフンの指揮によるチン・ウンスクのピアノ協奏曲を収録したアルバムは、BBCミュージック・マガジンおよびICMA賞を受賞した。さらにベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番を収録したアルバムが2013年に制作・発売された。
■ ソウル市立交響楽団 Seoul Philharmonic Orchestra
73年の長い歴史を持つソウル市立交響楽団は、2005年に財団法人として独立して以来、世界的な指揮者チョン・ミョンフン前芸術監督のリードにより、レパートリーを広めながら大きく成長した。
首席客演指揮者のティエリー・フィッシャーとマルクス・シュテンツ、そして世界的に有名な客演指揮者や協演者が共に催す定期コンサートは、素晴らしい音楽的成果とプログラムにより韓国のクラシック音楽界をリードしている。
ソウル市響は2007年のタイおよびアメリカ・ニューヨークUN本部で開かれた国連の日の記念公演をはじめ、2010年にはイタリア、ドイツ、チェコ、ロシアなどのヨーロッパ4か国9つの都市で開催されるツアー公演、2011年にはエディンバラ国際フェスティバルをはじめとするヨーロッパのフェスティバルへのツアー公演、2012年にはロサンゼルスなど北米各地のツアー公演を行い、どの公演でも観客が起立して拍手喝采するほどの好評を博した。さらに2013年4月にはソウルと北京の姉妹都市締結20周年を記念し、中国国家大劇院で公演した。そして2014年8月にはフィンランド、オーストリア、イタリア、イギリスなどクラシックの本場であるヨーロッパで公演して好評を得た。特にイギリスで開催されたBBCプロムスでは、現地の主要日刊紙から最高レベルの評価を獲得するとともに「大変感銘を受けた。品格のある演奏だった」という絶賛を受けた。また、2015年に中国国家大劇院および日本サントリーホールに招待された公演も成功裏に終え、アジアのメインオーケストラとしての地位を確立した。
一方、ソウル市響は、専門のホールで行うコンサートの他にも様々な公益公演を行い、ソウル市民とのコミュニケーションを図っている。病院、刑務所、区民会館などを訪問する「私の町の音楽会」、ハンガン(漢江)の川辺で繰り広げる「川辺の音楽会」、そして「光復節記念音楽会」などの大型野外公演は、ソウル市民に愛されるイベントとして定着している。
その他、公演を観覧する人々を対象にした「コンサートを前もって学ぼう」、次世代の指揮者育成のための「指揮マスタークラス」、作曲を専攻している学生のための「作曲マスタークラス」など各種教育プログラムを実施してクラシック音楽の底辺の拡大に取り組んでいるとともに、専門的な演奏者の育成にも努力を傾けている。
2011年、ソウル市響はアジアの交響楽団としては初めて、世界的なクラシックアルバムレーベルであるDG(ドイツ・グラモホン)と5年間毎年2枚のアルバムを制作するという内容で契約した。そして2015年「マーラー交響曲第5番」を発売するなどこれまでに9枚のアルバムを制作・販売した。特に「チン・ウンスク、3つの協奏曲」は、世界的に権威のある賞のICMA賞(国際クラシック音楽賞)において「現代音楽」部門を受賞、イギリスの音楽雑誌BBCミュージック・マガジンが選ぶBBCミュージック・マガジン・アワードでは「プレミア」部門を受賞した。