ソウル市は、障害者の移動利便性の向上のために障害者バウチャータクシーの料金や利用可能回数などで利便性の改善を図った結果、利用件数が前年比2倍の104%増と大幅に増加したと発表した。これは障害者の移動権の増進に向けて2023年9月から本格的に運営の見直しを進めて以来、約8か月という短期間で市民の利便性が向上したものと見受けられる。
※ 障害者バウチャータクシー:車椅子を使用しない障害者が中型タクシーの配車を依頼すると、ソウル市が料金の一部を支援する事業
主な改善点としては、▴料金の見直し、▴利用可能回数の拡大、▴運行車両の増台、▴配車依頼システムの効率化などが挙げられる。代替交通手段である障害者バウチャータクシーの利便性が大幅に改善されたことで交通手段の選択肢が広がり、効率も高まった。
その結果、会員数は前年比49.4%増、一日あたりの平均利用件数は同104.2%増という成果が得られた。
[障害者コールタクシー/障害者福祉コール利用者別バウチャータクシーの利用状況]
区分 | バウチャータクシー 登録会員数 |
一日あたりの 平均利用件数 |
2024年の 累計利用件数(5月時点) |
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合計 | 22,384人 | 2,894件 | 382,140件 |
障害者コールタクシー利用者 (重度歩行障害者) |
14,036人 | 1,139件 | 113,626件 |
障害者福祉コール利用者 (視覚・腎臓機能障害者) |
8,348人 | 1,755件 | 268,514件 |
障害者コールタクシーの代替交通手段である障害者バウチャータクシーへ需要が分散したことで障害者コールタクシーの利用環境が全体的に改善され、平均待ち時間が前年の47分から41分に6分減少するなど、障害者の移動効率が高まったものと評価される。
これを受け、利用需要の増加に対応し、障害者の移動権をより厚く保障するために、ソウル市は36億ウォンの追加予算を編成して障害者バウチャータクシーを利用する障害者を持続的に支援する方針だ。
障害者の移動権保障に向けたソウル市の交通手段支援の現状
(2024年4月末基準)
区 分 | ソウル施設公団 | ソウル視覚障害者連合会 (福祉政策室) |
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障害者コールタクシー |
バウチャータクシー |
障害者福祉コール |
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利用対象 | 重度歩行障害者 <車椅子利用/非利用の障害者> |
障害者コールタクシー・福祉コールの 会員でバウチャーを別途 登録した者 <車椅子非利用の障害者> |
障害度の重い 視覚/腎臓機能障害者 <車椅子非利用の障害者> |
利用方法 | ソウル施設公団 移動支援センターに配車依頼 |
・福祉コールの会員→ナビコールに電話 ・ 障害者コールタクシーの会員→ソウル施設公団に電話 |
生活移動支援センターに 配車依頼 |