観光産業人的資源分野で3位、都市化分野で5位 観光客はソウルを観光したいと思っているでしょうか。ソウルのどんなところに満足しているでしょうか。これらの内容に関する評価が8月に発表されました。
ソウル市は、UNWTO(世界観光機関)と共同で、「都市観光産業競争力指標」を開発し、指標にもとづいて「都市観光産業競争力評価」を実施しました。その結果、ソウルは東京、シドニー、シンガポール、北京に続くアジア太平洋地域の5大観光都市に選ばれました。
評価は、ソウル、香港、北京、上海、東京、大阪、シンガポール、シドニー、バンコク、マニラ、クアラルンプール、オークランドのアジア太平洋地域の12の主な観光都市を対象に行われました。このうち、ソウルは観光産業人的資源分野(3位)、都市化(5位)、観光環境インフラと観光ガバナンス(6位)で高い競争力を持っているという評価を受けました。
アジア太平洋地域の都市観光産業競争力評価の結果
順位 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
都市名 |
東京 |
シドニー |
シンガポール |
北京 |
ソウル |
香港 |
上海 |
オークランド |
バンコク |
大阪 |
クアラルンプール |
マニラ |
評価点 |
4.67 |
4.51 |
4.47 |
4.01 |
3.98 |
3.97 |
3.80 |
3.79 |
3.43 |
3.24 |
2.96 |
2.65 |
情報アクセス・衛生・水質・都市観光ウェブサイトはアジア最高レベル 「都市観光産業競争力指標」は、▲観光環境とインフラ▲観光価格価値▲都市化▲観光ガバナンス▲観光産業知識資源▲観光産業人的資源の6分野の計61指標で構成されています。
61の細部指標としては、ホテルの客室数、アクセスの利便性、世界文化遺産の数、空港利用料、情報アクセス性、衛生指数、CO2排出量、海外メディアへの露出度、都市魅力度、スマートフォン・アプリケーションの数、都市観光ウェブサイト評価、公共サービスなどがあります。
このうち、ソウルは情報アクセス性や衛生、水質などで1位となっています。都市観光ウェブサイトも7.00で1位でした。これは2位の香港(4.57)よりもはるかに高い評価点です。また、競技場の収容力、ビザカード可能ATM(自動預け払い)機器、観光市場労働水準、公共サービスでは3位となっています。
一方、ホテル客室数、ショッピング環境、コンベンション施設数、実質経済成長率、都市魅力度、都市レベルのマーケティングとブランディング効果は9位、海外メディアへの露出度は10位、観光都市産業への政府支出は11位、燃料価格は最下位でした。
研究を担当した関係者は、「ますます激しくなる世界の観光市場でさらに発展するためには、観光インフラやガバナンスの拡充により多くの努力と財政投資を行う必要がある」との見方を示しました。
宿泊滞在費引き下げ政策は継続 ソウル市は、今回の評価結果をもとに、不十分な部分を改善することにしました。このため、宿泊滞在費引き下げ政策を継続し、ターゲット市場別の特性に合わせたオーダーメード・マーケティング戦略を策定する方針です。また、国際的な眼識を備えた観光産業における専門的人材を育成し、観光分野での雇用を増やす計画です。
これと同時に、観光産業政策を体系的に実施するため、毎年ソウルの観光発展レベルを分野別に定量評価し、1年おきにアジア太平洋地域の主要12都市との比較評価を行うことを決めました。
一方、ソウル市は、来年初めにアジア最高の「展示産業(MICE: Meeting、Incentive、Convention、Exhibition) + 観光産業 + ショッピング」都市を目指す内容の観光産業活性化総合対策をまとめる計画です。