ソウル市のトンデムン(東大門)区・ソンブク(城北)区・カンブク(江北)区などの東北圏を通過する全長28mの黄緑色のミニ地下鉄であり、韓国で初めて全区間が地下に建設された「ウイシンソル(牛耳新設)線」が、9月2日(土)から文化と芸術を乗せて走る。
全区間が地下に建設された自動無人鉄道であり、全駅舎において商業広告が排除された芸術的試みが注目を集めている。名付けて「文化鉄道プロジェクト」といい、地下鉄を文化芸術伝播の新しいプラットフォームにしていく計画である。
「文化鉄道プロジェクト」は、無分別な商業広告のない「文化芸術専用空間」、駅舎で高品格な芸術作品に出会える「アートステーション」、車両にテーマをラッピングした「走る」シリーズなどに要約される。
ウイシンソル線の全13駅舎は、これまでの地下鉄駅とは異なり、文化芸術専用空間として造成された。普段は意識せず通り過ぎていた通路の壁や床、階段、エスカレーターの横壁などが、新進作家の作品が飾られるギャラリーとなる。また、一部の列車は車両内部が図書館、映画館、美術館などの特定テーマによりラッピングされた「走る」シリーズとして運営される予定だ。まずは、開通とともに列車2本がそれぞれ「走る美術館」と「走る図書館」として運行される。
< 監視カメラで全施設(車両‧駅舎‧トンネルなど)を24時間モニタリング、運行初期は安全要員を追加配置 >
ウイシンソル線は、全ての車両が無人で運営されるだけに、運行初期の29日間は全駅舎及び車両内に一日95人ずつ計2,755人の要員を追加配置し、安全管理を徹底的に行う計画である。
計403台の監視カメラも車両やホーム内部などに設置され、総合管制室で24時間モニタリングされる。また、13の全駅舎にはスクリーンドアが設置されている。
車両内部と座席には燃えない素材のアルミニウムが使用され、車両前後には非常時に中央統制室の指示に従って誰でも容易に操作できる避難用出入口とランプも設置されている。
交通弱者の移動の利便性も高められた。車両は車いすを利用する障がい者やベビーカー利用者も便利に移動できるよう、車両間にドアと連結部分がない「一体通路型」でつくられた。
ウイシンソル線は、カンブク(江北)区ウイ(牛耳)洞~トンデムン(東大門)区シンソル(新設)洞を計13の停留場(11.4km)でつなぎ、料金は交通カードを利用する場合は現在の地下鉄と同じである。これまで、事実上バスのみだった公共交通システムが大幅に改善され、ウイ(牛耳)~シンソル(新設)間の所要時間も出勤・帰宅ラッシュ時間帯基準で30分ほど短縮される見通しである。
中二階(Mezzanine)構造のプラットホーム
プラットホーム
車両内部
総合管理棟
>総合管制室
車両基地
シンソルトン駅「ワイドカラー 6人の作家展」
レールアート型ポスター設置例