- ソウル市、2022年の公共交通機関の利用状況を分析…2021年に比べ日常時間帯には最大7万件(14%)増加
- バス 9%、地下鉄 12%利用件数アップ…「マスク全面解除」2022年9月には地下鉄利用客26%まで上昇
- ソウル市民の公共交通機関利用の特性…平均1.23回乗り換え、1日最大58回利用も
- 市、科学的ビッグデータベースの交通政策実現…便利な公共交通機関利用環境を構築
2022年におけるソウル市民の公共交通機関利用状況を分析した結果、年間総利用件数は34億件、1日平均利用件数は942万件に達した。これは、2021年に比べると総利用件数3.3億件、1日平均約90万件が増加した数値であり、日常時間帯の利用が大きく増加するなど、市民の移動が活発化したことを示している。
ソウル市は、2021年と2022年の約6,400億件の交通カードデータを活用して、「新型コロナ感染症ソーシャル・ディスタンシング解除に伴う公共交通機関の利用現況」を分析したと発表した。
資料収集範囲 ※ 2021年度~2022年度
(地下鉄、バス) ソウル市で運営中の公共交通機関の交通カード乗車・下車実績
<2022年公共交通機関利用件数、1日平均942万件…日常時間帯の1日平均利用件数は最大7万件(14%)増加>
2022年公共交通機関の利用件数は、2021年比総利用件数3.3億件、1日平均利用件数90万件の増加(11%)を示した。
<年度別の公共交通機関総利用件数>
<年度別のバス&地下鉄総利用件数>
月別の公共交通機関の1日平均利用件数を見ると、屋外でのマスク義務着用解除が発表された5月(16%)と9月(22%)には、平均より高い増加幅を示していることが分かる。
時間帯別の公共交通機関の1日平均利用件数を見ると、日常回復にともない、日常時間帯(10時~17時)の公共交通機関の利用増加幅が平均12%と、通勤・帰宅時間帯(平均7%)よりも高い増加幅を示した。
16時は、2021年比1日平均利用件数は約7.5万件が増加(14%)して、最も大きい増加幅を示した。
<月別の公共交通機関の1日平均利用件数>
<時間帯別の公共交通機関の1日平均利用件数>
<ソウルのバス利用件数、わずか1年間に1.3億件増加…深夜時間帯の利用客も増加傾向>
2022年ソウルバスの総利用件数は約15億件で、2021年比約1.3億件の増加(9%)を示した。1日平均利用件数も427万件で、2021年比37万件が増加(9%)している。
※ 2021年に比べた場合の総利用件数は、市内バス1.2億件、マウルバス888万件が増加した。
特に、マスク義務着用の全面解除が発表された9月(18%)には、平均より高い増加幅を示した。
※ 9月に市内バス利用件数は20%、マウルバス利用件数は9%増加している。
日常回復を受けて、日常時間帯(10時~17時)のソウルのバス利用増加幅は平均10%と、通勤・帰宅時間帯帯(平均8%)より高い増加幅を示した。
特に、16時は2021年比1日平均利用件数が約2.9万件増加(11%)して、最も大きい増加幅を示した。
2022年の終発延長と深夜バス拡大運営にともない、深夜時間帯(23時~03時)のソウルバス利用件数は、2021年7.8万件から2022年11.7万件に、オルペミバスの利用も活発化して、深夜の移動の増加を示した。
<月別のソウルバス1日平均利用件数>
<時間帯別のソウルバス1日利用件数>
<ソウル市民の足「ソウル地下鉄」…ソーシャル・ディスタンシング規制解除によって深夜利用2.3倍増加>
2022年地下鉄総利用件数は約19億件で、2021年比2億件増加(12%)している。これは、バス(9%)よりも多少高い数値である。
2022年地下鉄の1日平均利用件数は515万件で、2021年比54万件が増加(12%)しており、屋外マスク義務着用の全面解除が発表された9月(26%)には、平均より高い増加幅を示した。
※ 3年ぶりにマスクなしで過ごせる休暇シーズン(7月・8月)には、21%の増加幅を示した。
日常回復を受けて、日常時間帯(10時~17時)の地下鉄利用増加は平均15%と、通勤・帰宅時間帯(平均7%)より高い増加幅を示した。
特に、16時は2021年比1日平均利用件数が約4.5万件増加(16%)して、最も大きい増加幅を示した。
営業時間制限などの規制解除と終発延長によって、深夜時間帯(23時~03時)の地下鉄利用件数は、2021年2.9万件から、2022年6.7万件に、約2.3倍増加した。
<月別の地下鉄1日平均利用件数>
<時間帯別の地下鉄1日平均利用件数>
<ソウル市民の公共交通機関利用特性を分析…平均1.23回乗り換え、最大58回乗り換えも>
ソウル市民は、公共交通機関を1回利用する場合、平均して1.23回乗り換えをし、▴バス3.3km 13分、▴地下鉄13.8km 36分移動するという分析結果が導かれた。
ソウル市民の公共交通機関利用記録を分析した結果、▴最大58回利用、▴最長132km移動、▴最大7時間移動など、さまざまな形で利用されていることが明らかになった。
- (最多利用回数) Aさんは8時から20時まで公共交通機関を計58回利用した。
- (最長移動距離) Bさんは、クァナク(冠岳)区ヘンウンドン(幸運洞)を出発して、クンポ(軍浦)、トンジャク(銅雀)区、ソンナム(城南)市、カンナム(江南)区を経てクァナク(冠岳)区チョンリョンドン(青竜洞)まで4回乗り換えた。132km移動
- (最長移動時間) Cさんは、ソンブク(城北)区チャンウィドン(長位洞)を出発して、トンデムン(東大門)区、ソンナム(城南)市、ヨンドゥンポ(永登浦)区、イルサン(一山)市を経てソデムン(西大門)区シンチョンドン(新村洞)まで4回乗り換えた。7時間移動
ソウル市民の公共交通機関の移動距離は、近距離移動(10km以下)が過半数を占めており、20km超過移動は15.3%を示した。
※ 10km以下(57.6%) > 10~20km(27.0%) > 20km超過(15.3%)
公共交通機関の利用者タイプは、一般(81.6%) > 敬老(10.4%) > 青少年(4.1%) > 子ども(1.9%) > 障害者(1.7%)だった。
なお、市は交通関連データを活用して、▴公共交通機関の移動分析、▴自動車登録状況、▴車両通行速度などさまざまな分野における分析を実施する予定だ。
ソウル市は、「公共交通機関内でのマスク義務着用の解除など、市民の日常が正常化される状況で、公共交通機関の利用活性化のためのさまざまな交通政策が求められる時」とし、「ソウル市は今後も、ビッグデータベースの情報分析を通じて、利用状況を把握して、さらに安全かつ便利な公共交通機関の土台構築に最善を尽くしていく」と語った。