- 車道を大胆に削り、歩行空間をソウル広場の2倍に拡大、歩道を最大12mに広げ自転車専用道路も新設
- 大木・低木・草花などを植栽し、移動式プラントの設置で都心を1つの街路の森としてつなげる
- 北倉洞-南大門市場-ソウル駅の商圏をつなげ地域経済を活性化させ、新たな観光コースも開発
- オ・セフン市長は6日、自ら歩いて歩行路を点検。3週間のオン・オフ歩行イベントも開催
世宗(セジョン)大路(デロ)を貫く都心の中心区間である世宗大路の十字路-崇(スン)礼門(ネムン)-ソウル駅区間の1.55㎞が、人や文化、緑地が1つにつながるソウルを代表する歩行路に生まれ変わった。
ソウル市は「世宗大路人・森・道」の整備を終えたと発表した。昨年7月の着工から9ヵ月で完了となった。
世宗大路一帯の車道をこれまでの9~12車線から7~9車線に大胆に減らし、歩行路の幅を最大12mまで拡大して「歩行者天国」を作った。車道を狭めたことで生まれた空間にはソウル広場(6449㎡)の面責の2倍を超える歩行空間(13950㎡)が作られ、世宗大路の全区間に自転車専用道路も新たに作られた。
歩行者と自転車の利用者は光化門(クァンファムン)広場や徳(トッ)寿宮(スグン)、崇(スン)礼門(ネムン)など世宗大路を代表する名所をスムーズに移動することができるほか、人・森・道に徒歩解説観光コースを新設するなど、観光コンテンツの充実化も図る。
市は、今回の事業が持つ最も大きな意味は、単に車線を縮小するだけに留まらず、樹木や花があふれる「都心の街路の森」という概念を初めて導入したところにあるとしながら、都心全体を緑の森の道につなげる「ブランド歩行都市ソウル」が進むべき方向を示した。
工事後の速度制限も工事前とほぼ同じ水準を維持している(2019年平均21.7㎞/h、2021年4月平均21.6㎞/h)。交通量はむしろ、工事前より17.6%減少(2019年12月74441台→2020年12月61338台)した。あえてこの道を通る必要のない車が別の道路に迂回することによって、スムーズな通行が可能になったと市は分析している。
ソウル市のオ・セフン市長は、完成した「世宗大路人・森・道」を6日(木)午前11時より自ら歩き、拡張された歩行路を点検する。ソウル市庁を出発して崇礼門を回り、再びソウル市庁に戻る全2.1㎞(都市建築展示館-徳寿宮-太平路(テピョンノ)ビル-プヨンビル-南(ナム)大門(デムン)交通島-崇礼門-興国(フングク)生命ビル-市庁)のルートだ。また、路上で行われる芸術公演も観覧する予定だ。
ソウル市は「世宗大路人・森・道」の完成により、市民が体験できる世宗大路の4つのうれしい変化についても紹介している。①車道の縮小による緑の歩行空間の拡大、②都心全体の街路の森の道の完成、③拡大した歩行空間に様々な文化や歴史の名所を作り、④周辺の商圏を巻き込む地域活性化だ。
第一に、車道が縮小して生まれた空間に歩行空間ができ、世宗大路のすべての区間に自転車専用道路が新設された。これにより、歩行者と自転車の利用者は、世宗大路一帯をスムーズに移動することができるようになった。
第二に、広くなった歩行空間に、都心にいながら四季を感じられる街路の森が生まれた。緑の森と多層植栽の緑地が作られ、清渓(チョンゲ)広場や北倉(プクチャン)洞(ドン)のように木を植えることができないエリアには、移動式・固定式プランターを配置して森を作った。
第三に、徳寿宮や崇礼門など歴史・文化の名所へのアクセスが改善し、市民がより身近に歴史や文化を感じられるようになった。
第四に、北倉洞-南大門市場-ソウル駅の商圏が徒歩を基盤とした「三角ベルト」を形成することにより、地域経済の活性化も見込まれる。光化門から崇礼門を経て南山(ナムサン)やソウル路7071まで観光・歩行名所が1つにつながったことで、ショッピングやグルメを楽しむ商圏文化も自然につながることが期待される。
ソウル市は世宗大路人・森・道の完成を市民に知らせるべく、3週間(5月3日から23日)、オン・オフラインで歩行イベント「世宗大路人・森・道、春を歩く」を開催する。新型コロナウイルスの感染状況に応じて安全を最優先に市民が参加できる様々なオンライン・プログラムを構成している。
ソウル市のペク・ホ都市交通室長は「ソウルは四大門が山に囲まれた天恵の環境にあるが、都心の至る所が車に占領されている。世宗大路人・森・道を機に都心全体を緑の森の道につなげ、世界的『歩行都市ソウル』を完成させていきたい」としながら、「歩行環境の改善や二酸化炭素の排出削減、エネルギー低減、地域経済の活性化や市民の暮らしの質の向上といった一石五鳥の未来ビジョンを実践していきたい」と語った。