- ソーシャルディスタンス2段階、3週延長に伴い「ソウル型換気対策」勧告案を発表
- 部屋の窓や出入口を常に開放し、難しい場合は1時間おきに10分間の換気を奨励
- 過去4ヶ月の感染者の30%「換気不十分」な施設で発生、1時間おき10分の換気で汚染度1/10に↓
(窓と出入口を開けられる場合は5分、窓のみ開放の場合は15分)
ソウル市は、市民が日常生活の中で実践可能な「換気」に関する感染対策をまとめた「ソウルの窓を開けよう」キャンペーンを開催する。
過去4ヶ月間、ソウル市で発生した感染者の30%が、換気が不十分な施設で発生しており、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、換気に取り組む重要性が強調されている。過去4ヶ月間(2021年1月1日から4月19日)、ソウル市で発生したクラスターによる感染者(2935人)のうち、室内スポーツ施設やコールセンターなど、空気の入れ替えを十分に行えていない施設で発生した事例が30.7%(900人)に上っている。このうち、4月の感染者は38.7%(349人)だった。
そのため、ソウル市は「ソウル型換気対策」勧告案をまとめ、ソーシャルディスタンス2段階の3週間の延長に伴い、同キャンペーンを大々的に行うと発表した。
ソウル市は、騒音など苦情につながる要素がない場合、窓と出入口を常時開放し、それが難しい施設などでは1時間おきに10分以上の換気を行うよう勧告した。
窓のない地下や窓を開けられない施設などでは、通路につながる窓や出入口を開け、送風機を積極的に利用するほか、冷暖房器具を利用する場合には、窓を一部開けて利用するよう奨励している。
飛沫が多く発生する室内スポーツ施設では、換気の回数を増やし、営業開始直前と直後にそれぞれ15分以上、すべての窓を開けて空気を入れ替えるよう求めている。
また、一般家庭については、これまで特に感染対策が講じられてこなかったが、家庭内ではマスクを着用せずに頻繁に会話が交わされるため、定期的に空気の入れ替えを行うよう勧告する内容が新たに盛り込まれた。
ソウル市は、今回の「ソウルの窓を開けよう」キャンペーンについて、全国に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の勢いを食い止めるための特別防疫週間の延長に伴い、クラスター発生のリスクが高い密閉された施設での感染リスクを最低限に抑えるために開催する市民共同行動キャンペーンだと説明した。
※ソウル型換気対策
シェアオフィスが利用できる主な駅
施設 |
ソウル型換気対策 |
全空間共通 |
■ 窓や出入口を常に開ける(勧告)
-騒音など苦情が発生しない範囲内で行う
-地下や窓のない施設では、通路につながる窓や出入口を開け、送風機を利用する
-冷暖房器具を使う場合には、窓の一部を常に開ける
■ 1時間おきに10分以上換気(勧告)
-常に開けておけない場合
|
室内スポーツ施設 |
※室内スポーツ施設は営業開始の直前・直後に15分以上、すべての窓を開けて空気を入れ替える |
一般家庭 |
※マスク未着用での会話が頻繁に交わされるため、定期的な換気が非常に必要 |
「ソウルの窓を開けよう」キャンペーンは、換気をすることで新型コロナウイルスの感染拡大を防止できることを証明した様々な研究結果を基にまとめられた。1時間おきに10分以上、窓を開けた場合、室内の空気の汚染度を1/10に減らせるという研究結果をはじめ、冷暖房器具や換気システムに関する指針など、様々な事例が盛り込まれている。
2021年、米MITが実施したレストランでのシミュレーション結果によると、換気率が高い施設では、新型コロナウイルスが広がる率が10%未満に抑えられることがわかった。
2020年に発刊された韓国建設技術研究院の報告書でも、冷暖房器具の稼働中に窓を開放した場合、感染者の飛沫が届く距離が約半分(40%→20%)に減ることが示されている。
換気システムに関するベルギー政府の指針によると、特定の空間で汚染度を90%低下させるには、窓と出入口を両方開けられる場合は5分、窓のみ開放する場合は15分、必要となる。
ソウル市は、ソウル型換気対策とその効果を盛り込んだポスターを制作し、市民団体や関連の協会などと合同でキャンペーンを実施し、市民に実践を促す考えだ。
市民健康局のパク・ユミ局長は「最近、全国規模で新型コロナウイルスの1日の感染者が、多い日には700人を超えている。日常生活の中で容易に実践できる空気の入れ替えを行うだけでも、新型コロナウイルスの感染を驚くほど減らせることが科学的にも検証されており、市民の積極的な参加をお願いしたい」としながら、「市民と施設の両方の安全を守る『ソウルの窓を開けよう』キャンペーンに市民が積極的に取り組むことで、実質的な効果を上げられることを期待している」と語った。
<キャンペーンポスター>