- Global Startup Ecosystem Report 2022の発表…ソウルは280都市のうち10位に選定、これまでの最高順位を記録
- ソウルのスタートアップ・エコシステムの価値を223超ウォン(1,770億ドル)と評価、特に資金調達・知識蓄積分野で高い評価を獲得
- 資金調達分野でアジア都市1位に、ソウル投資庁の投資誘致がエコシステムの成長可能性を引き上げる要素
- AI・ビッグデータ・分析、生命科学、最先端製造・ロボット産業を強い分野だと分析
- 市、「スタートアップエコシステムを活発化させて、2030年までグローバルユニコーン企業40社の誕生と経済都市Top5入りを果たしたい」
ソウル市が世界で「創業しやすい都市 Top10」にランクインした。これまでの最高順位を記録。ソウルの創業生態系価値(Ecosystem Value)は、223兆ウォン(1,770億ドル)に達すると評価された。
創業生態系(スタートアップ・エコシステム)を評価する機関「スタートアップゲノム(Startup Genome)」は、世界100ヵ国・280都市を対象に調査した「Global Startup Ecosystem Report 2022」を6月14日(火)に発表した。ソウルは280都市のうち10位にランクインしたが、16位だった昨年に比べ6段階上昇した結果だ。
グローバルTop10にランクインしたことは、ソウルの創業生態系が世界水準になっていることを意味する。2019年には30位圏外だったが、2020年には20位、2021年には16位になるなど、徐々に順位を上げてきた。
ソウルの創業生態系に対する価値評価は、2020年には47兆ウォン、2021年は54兆ウォン、2022年は223兆ウォンと、わずか2年間で4倍以上成長した。
今回グローバルランキングには、6つの項目に対する評価と分析が反映されている。ソウルは、①資金調達(Funding・9点)、②知識蓄積(Knowledge・8点)、③生態系活動性(Performance・7点)、④ネットワーキング(Connectedness・7点)、⑤人材養成(Experience & Talent・7点)の5つの項目で「優秀(7点以上)」と評価され、⑥市場進出(Market Reach)では「普通(5点)」を獲得した。
「スタートアップゲノム」は今回の評価で、大規模な資金回収(exit)がソウルの創業生態系の価値を引き上げることに大きく貢献し、ソウルの初期段階の資金調達力(early-stage funding)は大幅に成長していると評価した。
また、投資誘致専門機構である「ソウル投資庁(Invest Seoul)」を中心に、ソウル市が積極的かつ攻撃的に海外投資に乗り出し、汝矣島(フィンテック)、洪陵(バイオ医療)、良才(人工知能)など圏域別に創業拠点を造成するほか、革新企業を育成するために積極的に政策を展開していることも創業生態系の成長可能性を高める要素だと評価した。
今回の「Global Startup Ecosystem Report 2022」では、ソウルが強い産業分野として、▲AI・ビッグデータ・分析(AI&Big Data and Analytics)、▲生命科学(Life Sciences)、▲最先端製造業・ロボット産業(Advanced Manufacturing&Robotics)が取り上げられた。
一方、グローバルランキングTop5では、1位はシリコンバレー(米)、2位はニューヨーク(米)とロンドン(英)がタイ、その後ボストン(米)と北京(中)が続いた。1位から3位は2年連続順位に変更はなく、4位と5位は入れ替わっている。
ソウル市のファン・ボヨン経済政策室長は「ソウルがTop10入りを果たしたのは、「スタートアップゲノム」がレポートで発表したように、ソウル市が革新的な創業環境を造成するために着実に努力を積み重ねてきた結果であり、各分野の創業主体が協力して成長できる創業生態系をつくってきた成果」としながら「ソウルがグローバルTop5に入る経済都市に跳躍できるよう、未来型人材の養成、企業が投資しやすい環境の造成、有望な企業の海外進出の支援など多分野にわたる支援を行い、2030年までユニコーン企業40社が誕生できる環境をつくっていきたい」と話した。