ソウル市は5月15日から5か月間、「2021夏季総合対策」を稼動し、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策から夏の災害予防・事故防止対策に至るまで緻密なセーフティネットの構築に注力する。
①市民の健康を守る繊細な保健対策
同市は、新型コロナウイルスのワクチン接種に拍車をかける。今後政府の指針に従って接種対象者を優先順別に分類し、その幅を徐々に拡大して10月までには18歳以上の市民の70%(606万人)が接種を済ませるという目標を立てた。
また今後、外出・アウトドア活動を楽しむ人々が増加することに備えて、公共交通機関の感染防止対策の強化に注力するほか、夏のバカンスシーズンに大勢の人々で賑わうハンガン(漢江)市民公園では、公園内での飲食禁止、早めの帰宅、十分なソーシャル・ディスタンシングなどの「安全文化キャンペーン」が行われる。また飛沫拡散の恐れがある大型噴水や身体接触型噴水の稼動を一部中止し、室内の場合は、常に窓を開けて換気する「ソウルの窓を開けよう」キャンペーンを実施する。さらに新型コロナウイルス感染症のほかにも食中毒、細菌性肺炎など夏に発生しやすい疾患の予防対策も準備した。
②社会的弱者を保護するオーダーメイド型猛暑対策
ソウル市は、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、特に暑い夏を過ごすのが大変な高齢者や古い家に住む住民、ホームレスなどの社会的弱者のための保護対策を強化する。
猛暑のために心身ともに疲れた市民が休める「猛暑憩いの場」、そして古い家に住む住民やホームレス専用の「猛暑憩いの場」も設ける。さらに猛暑対策ができない社会的弱者を積極的に発掘し保護するため、「近所サポーターズ」など地域住民による福祉共同体を構築し、情報活用能力が不足している世帯の調査に乗り出す。
③風害・水害を最小限にとどめる徹底した水防対策
2021年の夏に発生する風害・水害を最小限にとどめる災難安全対策本部を設け、豪雨時に降水量別に3段階に分けて非常勤務を実施する。
同市と自治区は、2021年2月から4月にかけて計9回にわたり「2021年風害・水害対策準備事項」について話し合った。そして河川、水防施設、工事現場、地下施設など風害・水害対策がなされていない施設を対象に点検・整備を一斉に済ませた。
さらに集中豪雨による河川増水によって利用客が孤立しないよう、先制的な河川立入禁止システムを構築、大雨特別警報が発令された際には、河川の出入り口にある施設1,231か所を直ちに閉鎖し、予報・警報施設を稼動して市民の河川への出入りを防ぐ。
④事故発生防止のための先制的安全対策
ソウル市は、建築工事現場をはじめ交通・上水道・道路施設物など災難に遭う可能性の高い施設を対象に安全点検をもれなく実施する予定だ。特に夏のバカンスシーズンに市民が安全に休暇を楽しめるよう、キャンプ場や公演場などの施設の安全点検も実施する。
そして2021年の夏は、これまでソウル市民安全体験館で現場体験方式で行われていたプログラムをアンタクト(非対面)でのオンラインでも体験できるようにする予定だ。