ソウル市は、有給休暇が取得できず、病気でも病院に行けない建設業務労働者、特殊雇用形態者、零細企業・自営業のような労働脆弱階層(基準中位所得100%以下)に対し、年間最大11日(入院10日・国民健康保険公団による健康診断1日)まで、ソウル市生活賃金(2019年1月、81,180ウォン)を支給する「ソウル型有給病気休暇支援」事業を実施した。対象者に該当する市民は、住所地管轄の住民センターや保健所などで申し込むことができる。ソウル市は8月3日、自営業や建設業務労働者によって形成された15団体と事業への参加を活性化するための業務提携を締結、有給病気休暇支援を本格的に推進し、働く市民の健康を守る「ソウルケア」の具現化に拍車をかける計画だ。
「ソウル型有給病気休暇支援」は、労働脆弱階層でも負担なく医療サービスを受けるための韓国で初めて実施される革新的制度である。この制度では、韓国の勤労基準法における有給病気休暇を取得できず、福祉サービスも受けられない労働脆弱階層に対して年間最大11日(入院10日・国民健康保険公団による健康診断1日)に対する生活費の一部が支給される。
2016年現在、正社員の有給休暇の取得率は74.3%であるのに比べ、非正規社員は32.1%である。有給休暇が取得できない労働脆弱階層や自営業者は病気になった時、収入を得られないことを心配し、病院に行かずに病気を悪化させるケースが多く、社会的費用の増加につながっている。
ソウル市は2019年4月、パク・ウォンスン市長が発表した「健康なソウルを造成する総合計画」の中心課題である差別のない健康権を保障するため、病気でも病院に行けない建設業務労働者や零細企業・自営業などのような労働脆弱階層も「最小限の社会保障」が受けられるよう、「ソウル型有給病気休暇支援」事業を韓国で初めて取り入れた。
「基準中位所得100%以下」の判断基準は、所得や財産であり▲所得は保健福祉部が発表した2019年度家族数あたりの所得基準一覧表を基準とし、▲財産は2億5,000万ウォン以下の両方の条件に該当しなければならない。例えば宅配業者であり、3人家族で、月間所得が350万ウォン、借家(2億4,000万ウォン)に住むAさんが足を怪我して病院に入院した場合、ソウル型有給病気休暇支援費の10日分として811,800ウォンの支援金を受け取ることができる。
申し込みは住所地の住民センターや保健所にて申し込める。申込書はソウル市・自治区・保健所・住民センターホームページでダウンロードして作成し、訪問して直接提出するか、書留郵便またはファックスで提出できる。