- 創業7年未満、新成長産業分野のスタートアップ役職員236人に、1年間住居費の50%支援
- 共用ワークスペース備えた駅三・梨泰院・厚岩洞にシェアハウス60室確保、家賃50%支援
- 「住居バウチャー」形式で176人に現居住地の賃貸料の50%、年間最大1,200万ウォン支援
- 市と民間専門家で競争力のあるスタートアップを発掘、安定的に成長できる環境づくりを
コロナ19の長期化で景気低迷が続くなか、ソウルの物価と費用の高さに起業家も苦戦を強いられている。この現状を打開するためにソウル市が全国で初めて起業家を対象とした住居支援に乗り出す。
ソウル市は7月2日(木)、今年8月から起業家が創業に専念できるよう、家賃の50%を支援すると明らかにした。今年初めて始動するこの「起業家向け住居支援」事業は、①ソウル市が確保した「シェアハウス60室」に半額の賃料で入居、または、②現金で月間最大100万ウォンの「住居バウチャー」を提供する2つのタイプで運用される。7月1日(水)から受付を開始し、支援企業は推薦で選定される。
この事業では、ソウル市が指定した3つのシェアハウスへ(60室)の入居と176人への住居バウチャーの提供など、合わせて236人を対象に33億ウォンを補助する。人工知能(AI)やバイオなどの新成長産業分野を扱う創業7年未満のソウル市所在のスタートアップ役職員ならだれでも申請できる。
新成長産業分野とは、人口知能(AI)、バイオ、フィンテックなど「ソウル特別市創業支援条例」に定められた技術創業業種を指す。
①1年間のシェアハウス入居、②最大1,200万ウォン(年間)の住居バウチャー支援ともに、一企業当たり代表一人のみが支援を受けられる。ただし、創業3年以内のスタートアップに限り、最大4人のチームでシェアハウスに入居できる。
<①共用ワークスペース備えた駅三(ヨクサム)・梨泰院(イテウォン)・厚岩洞(フアムドン)のシェアハウス賃料を半額支援>
ソウル市は、起業家に提供するためのシェアハウスにコモンタウン(commontown)を選定した。今年8月から一年間(2020年8月1日~2021年8月31日)、駅三洞、梨泰院洞、厚岩洞など3か所で60室を確保し、入居起業家に対して賃料の50%を支援する。寝室と浴室は個別に与えられ、キッチン、リビング、洗濯機などは共同で使用する。
駅三洞、梨泰院洞、厚岩洞のシェアハウスは3か所とも、一つの建物内に寝室と24時間利用できる共用ワークスペースが設けられており、起業家はいつでも業務を行うことができる。無料で使用できるラウンジもあり、同じシェアハウスに暮らす職員と討論やミーティングなどもできる。
<②現居住地の賃貸料の半額、最大月100万ウォン、年間1200万ウォン支援>
住居バウチャーは、現居住地の賃料の50%を現金で支援するもの。最大で月間100万ウォン、年間1,200万ウォンの補助が受けられる。
シェアハウスや住居バウチャーの支援を受ける起業家は、創業企画者(アクセラレーター)やベンチャー投資家の推薦を受け、抽選で選ばれた7人の最終選定委員によって選定される。優れた創業人材を選定する過程に民間専門家の力を活用するために、このような推薦方式を導入した。
支援期間中、性犯罪や違法薬物の服用などの犯罪をかかわっていたり、不正に選定された事実が明らかになった場合、支援は即座に中止される。また、同期間中に廃業したり、ソウルの外に引っ越し住所地が変わった場合も支援は打ち切られる。
起業家向け住居支援事業に関する詳しい内容は、インベストソウルセンターまたはソウル市投資創業課にて起業家または推薦機関からの問い合わせを受け付けている。
キム・ウィスンソウル市経済政策室長は、「起業家への住居支援事業は、コロナ19によって苦戦を強いられている起業家が逆境を乗り越えて再起できるよう果敢に導入した政策。民間専門家の推薦を通じて競争力のあるスタートアップを発掘し、AIやフィンテックなど新産業分野の起業家が心置きなく創業に専念できる環境をつくっていきたい」と話す。