- 年間平均8万枚印刷、紙の図面をデジタル化し印刷量の削減を期待
- GISモバイルシステム構築、タブレットPCでいつでも地下施設の情報把握が可能
水漏れ復旧・給水工事・施設の点検など現場の仕事に迅速かつ正確な対応が期待
上水道給水工事や施設の管理などのためにソウル市上水道事業本部が出力する紙の図面は年間で平均8万枚に達する。紙で出力された上水道地理情報システムの資料は公開が制限されるうえに、地下施設に関する各種情報が含まれており、厳しい管理が求められている。
そのため、ソウル市上水道本部はPC基盤の上水道地理情報システム(Geographic Information System、以下「GIS」)を使って▲給水工事、▲水漏れの復旧、▲施設の点検など、現場の仕事に不可欠な機能を抽出し「上水道GISモバイルシステム」を構築して現場で活用していると発表した。
上水道GISには、ソウル市上水道管(1万3432㎞)の位置情報や水道管の口径、材質、設置年度、工事履歴などが含まれる。配水池、ポンプ場、バルブ、計量器など上水道施設に関する位置情報や属性情報を提供し、水漏れや工事履歴情報などを総合的に管理するシステムだ。
GISモバイルシステムの構築により、図面を出力して携帯する必要がなくなり、上水道工事や水漏れの復旧や水道管のバルブの調節など、現場での対応がしやすくなり、より迅速で正確な上水道サービスを提供できる。
現在、ソウル上水道GISの情報を基に水漏れを迅速に復旧しており、地下施設の深さや位置などの正確な情報を事前に把握して道路掘削工事による事故を予防している。
昨年末から現場でGISシステムに接続できるタブレットPC、100台を本部および水道事業8ヵ所の給水運営や施設管理課に配布し、現在、運営に成功している。
また、時間や場所を問わず現場ですぐに施設の管理や各種工事情報を照会・登録できるため、業務の手間が省け作業が容易になった。
市は、現場の職員の満足度が高く事業効果が高いと判断し、今後、端末機をさらに普及させ、業務機能の追加などについても検討する予定だ。
ソウル市のキム・テギュン上水道事業本部長は「デジタルへの切り替えが求められる時代の流れに合わせ、上水道分野でも多方面で変化が起き始めている」としながら、「今回のGISモバイルシステムを通じて現場での業務の効率を高め、市民にはより迅速で正確な上水道サービスを提供できるよう努めたい」と語った。