ソウル市が、冬場に市内バスを利用する市民の寒さを和らげるためにバス停に温熱シートが内蔵されている「あったかいす」の設置を大幅に拡大した。ソウル市のバス停におけるあったかいすの設置率は、昨年51.9%(22年)から1年で29.5%上昇した81.4%(23年)となり、市民が肌で感じられる改善効果も大きいと見通される。
バス停のあったかいす設置事業は、冬場や季節の変わり目に市内バスを利用する市民の利便性を考える代表的な生活密着型交通サービスで、全年齢層に支持されている。ソウル市のオ・セフン市長は、今回あったかいすの設置拡大をはじめ、弱者に寄り添う交通政策の実現に向けた公共交通機関における福祉の増大および政策の推進を指示。市は、素早くあったかいすの設置を拡大し、市民の利便性を向上させていくとの狙いだ。
オ市長は、高齢者など交通弱者と地域住民の日常の主な交通手段であるバスサービスの改善に注目している。それを受け市は、バス情報案内端末(BIT)の設置拡大、オルペミバス(ソウルの深夜バス)の路線拡大、広域バス承認率の引き上げ、マッチュムバス(8146番:始発時刻が15分早い)および不便解消バス停(恩平聖母病院)の新設、開花~金浦空港バス専用道路の迅速な設置、ソウル同行バスなどの政策を次々と策定している。
マッチュムバス(8146番) | ソウル同行バス | バス情報案内端末(BIT)の設置拡大 |
政策の推進に当たり、ソウル市は、年内にソウル市内の4.220のバスシェルターのうち3,433カ所にあったかいすを設置(カバー率81.35%)し、運営する予定だ。
現在、ソウル市内における設置済みのあったかいスは、4,220のバスシェルターのうち、2,192カ所で、今年は1,241カ所に設置した。このうち、住宅密集地に多くある「道端バス停」のあったかいすの設置率は91.62%で、高齢者や子供などの交通弱者だけでなく、地域住民の利便性が格段に向上すると予想される。
市は、あったかいすの設置を拡大するために予算を再配当し、下半期から素早く設置を進めている。23年10月時点で城北区をはじめ3つの自治区は設置が完了。残りの22の自治区は年内に100%設置する計画だ。
また、中央車路のバス停の場合、▲千戶大路の12カ所 ▲清涼里乗換センターの5カ所 ▲汝矣島乗換センターの4カ所に107個のあったかいすを年内に設置する予定だ。
なお、今回設置されたあったかいすには、市政・区政情報を発信するデザインが採用されている。自治区ごとに独自のデザインとヘチキャラクターを活かせるようにデザインを配布した。
あったかいす市政広報(案) | 設置済みのあったかいす |
また、市は素早く設置を進み、あったかいすのカバー率およびバス停の利便性を向上させていく計画だ。
ソウル市のオ・セフン市長は、「バスは、地域のあちこちを繋ぐ主要公共交通機関であるだけに、高齢者や交通弱者をはじめ、ソウル市民が冬場でも公共交通機関を安全で暖かく利用できるように寒さを和らげる施設を拡大し続けていきたい」とし、「生活に欠かせない交通福祉になったバス停のあったかいすの設置を通じて市民に寄り添う交通政策をさらに進めていきたい」と述べた。