- 「外国人住民への未支給、合理的理由を欠く差別」…国家人権委員会が改善勧告(6月10日)
- ソウル市、地域経済の活性化に向け、外国人住民に対し緊急生活費の支給を決定
- 合理的就業・営利活動が可能な外国人…中間所得100%以下に「プリペイドカード」を支給
- オンライン(8月31日~9月25日)、窓口(9月14日~25日)申請…徹底した予防対策を行い5部制で受付け
ソウル市は、「ソウル市災難緊急生活費」を外国人住民にも支援するため、8月31日からオンラインでの受付けを開始する。
ソウル市が行う今回の支援は、新型コロナウイルスの影響で国民と同じく困難を強いられている外国人住民に対して「合理的な理由を欠く差別による平等権の侵害」が起きないよう、災難緊急生活費を支援すべきとした国家人権委員会の勧告(6月10日)を受けたもの。
新型コロナウイルスの感染拡大による災難が続き、住民の生活の安定と地域経済の活性化を支える災難緊急支援金対策を樹立・執行するに当たり、住民として登録されている外国人住民への待遇を異にしているのは、合理的な理由を欠く差別であり、平等権の侵害に当たるため、災難緊急支援金政策で外国人住民が排除されないよう、関連対策を改善するよう勧告する。
(6月10日 国家人権委員会 決定文)
支援対象は、8月27日現在、ソウル市に国人登録(居所申告)をして90日以上経過していて、かつ国内で合法的に就業・営為活動が可能な滞在資格を持つ外国人住民となる。
所得基準や支援金額については、今年3月にソウル市民に支給した「災難緊急生活費」と等しく適用される。基準となるのは中間所得100%以下(一般及び金融財産未適用)で、世帯人数によって30万ウォンから最大50万ウォンの支援(1回)を受けられる。
○ 世帯別中位所得100%基準(単位:ウォン)
世帯別中位所得100%基準(単位:ウォン)
1人世帯 |
2人世帯 |
3人世帯 |
4人世帯 |
5人世帯 |
6人世帯 |
7人世帯 |
1,757,194 |
2,991,980 |
3,870,577 |
4,749,174 |
5,627,771 |
6,506,368 |
7,389,715 |
※8人以上の世帯の中間所得:1人増える毎に88万3347ウォン増額。
○ 支援金額
支援金額
1~2人世帯 |
3~4人世帯 |
5人以上世帯 |
30万ウォン |
40万ウォン |
50万ウォン |
外国人住民の災難緊急生活費の申請は「オンライン」と「窓口」の両方で受付ける。
オンライン申請は「ソウル市外国人住民への災難緊急生活費支援」ホームページ(
http://fds.seoul.go.kr)で受付けており、期間は8月31日(月)~9月25日(金)までの4週間。なお、ホームページからの申請は24時間、受付け可能。
オンライン受付け支援センターの窓口での相談・受付け支援は、生まれ年の末尾の数字に基づき5部制で行う。ソウル市は、徹底した防疫を行い、事前予約及び時間帯別、先着順に受付番号を配布し、社会的距離を遵守する。
世帯別中位所得100%基準(単位:ウォン)
月曜日 |
火曜日 |
水曜日 |
木曜日 |
金曜日 |
土・日曜日 |
1、6 |
2、7 |
3、8 |
4、9 |
5、0 |
全員可能 |
また、17の言語に対応可能な統合コールセンターを設置し、申請者が自身の母国語で気軽に問い合わせや相談ができるよう支援する。
窓口での受付けは、9月14日(月)~25日(金)の2週間、外国人登録証に記載された滞在地や居所申告地の管轄で行われる。災難緊急生活費の支給決定は、受付日から2週間後に行われ、支給が決定した場合は各自治区から対象者にメールで通知する。
申請書はホームページ(
http://fds.seoul.go.kr)からダウンロードでき、個人情報の収集・利用・提供同意書、健康保険資格確認書、外国人登録事実証明書と共に提出する。健康保険に加入しておらず、健康保険資格確認書を提出できない場合には、必ずその事由の記入が求められる。
ソウル市はまた、新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けた市民生活の安定と、停滞する市民経済を活性化するべく、今年3月に全国に先駆けて「ソウル市災難緊急生活費」の支援を開始した。これまで延べ160万世帯に対し、5423億ウォンを支援している。
ソウル市のキム・ソンスン福祉政策室長は「今回、外国人住民に災難緊急生活費を支援することで、国籍は違えど地域社会の一員としてソウル市で経済活動を行い、共に生きる9万5千余りの外国人世帯の生計の維持に少しでも役立てられたら」としながら、「今回の措置が住民のための人道主義的平等権の実現はもちろん、地域経済の活性化にも寄与すると期待している」と語った。