- 充電能力の性能改善工事完了→市民の不便さを解消し、充電インフラを拡大
- 水素生産量は2倍以上、1日の充電可能台数3倍、充填圧力は2倍にそれぞれ拡大
- 1回の充電でソウル―大邱間往復可能、運営時間は平日・週末8時~22時、年末まで予約制で無料提供
- 運営費削減・水素安定供給・エコを可能に、20日から第2回水素自動車補助金申請の受付開始
ソウル市は、国内で初めて環境に優しい水素エネルギーの独自生産と供給がワンストップで行える水素自動車充電スタンド、「上岩(サンアム)水素ステーション」を19日(月)にオープンする。ソウル市民であれば誰もが今年の年末まで無料で利用できる。
ソウル市は、充電インフラを拡大し市民の不便さを解消すべく「上岩水素ステーション」の充電能力をアップグレードする性能改善工事を昨年10月から実施してきたが、今年10月、工事とテスト運転を終え、正式運営を開始することとなった。
「上岩水素ステーション」は、研究目的としてワールドカップ競技場付近に2011年に設置された。2018年、水素自動車の商用化に伴い市民に無料開放されたが、水素生産量の限界や充填圧力不足など、充電ステーションの利用環境は十分ではなかった。
そのため市は、性能改善を通じて、一日の水素生産量は2倍以上(75㎏→160㎏)に、充電可能台数は3倍(10数台→30数台)にそれぞれ拡大した。
充填圧力も350barから700bar(水素自動車NEXO:700bar)に、2倍に拡大している。従来は1回の充電で50%の充電しかできなかったが、今回の改善で100%の充電が可能となった。1回の充電で走行可能な距離は約2.3倍(300㎞→最大609㎞)に延びたが、これはソウルから大邱(テグ)まで往復できる距離だ。
「上岩水素ステーション」は、国産の水素抽出技術を用い、水素の生産から充電まで一度に解決できる「オンサイト型」の充電ステーションだ。水素を直接生産するため、遠方の水素生産地から水素を輸送する必要がなく運送費を削減できるほか、供給の安定性を高められるという利点がある。
「上岩水素ステーション」の運営は、エネルギー専門機関である「ソウルエネルギー公社」が担う。人員を拡充して週末も運営し、充電可能時間も8時から22時(以前は平日9時から18時)に延長するなど、水素自動車の利用者が充電スタンドを利用しやすくする計画だ。
ソウル市は、より多くの市民が利用できるよう、1回の水素充電容量を4㎏に定め(1回最大6㎏)、一日の充電台数を40台に増やした。予約制で運営され、来年以降は有料化される。
「上岩水素ステーション」は充電スタンドとして2011年に運営を開始して以来、一度も事故が起きておらず、ソウル市は、自治区(麻浦(マポ)区)や韓国ガス安全公社と協力し、毎月1回以上、安全点検を実施するなど、安全を最優先に運営していく計画だ。
一方、ソウル市は「上岩水素ステーション」の性能改善および再稼働に伴い、20日(火)から抵公害車購入補助金支援システム(www.ev.or.kr)から第2回水素自動車補助金申請の受付を開始し、全部で300台に支援を行う計画だ。(第1回の支援対象の650台は選定済み)
市は、今年の交通分野における大気の質を改善すべく、環境に優しい水素自動車、1237台の普及を目標に補助金を支給する。電気自動車と併せてエコカーの大衆化を行い、ソウル都心の大気汚染物質を低減し、温室効果ガスを削減したい考えだ。
ソウル市のチョ・ワンソク気候変動対応課長は「ソウル市の水素自動車の普及は、大気汚染物質排出ゼロのエコカーでグリーンニューディールを推進し、市民が健康な都市の実現と、気候の危機に先んじて対応する政策」であるとしながら、「今回の上岩水素ステーションの性能改善工事の完了により、充電インフラが拡充された。一日の充電可能台数や、1回の充電可能容量が大幅に拡大されたことで、市民が水素自動車をより便利に利用できるようになると期待される。環境に配慮した水素自動車の普及と活性化に向け、今後も関連の政策を滞りなく推進していきたい」と語った。
【添付】上岩水素ステーションの画像
ソウル特別市 上岩水素ステーション(太陽光1.5kW、風力設備1kWを含む)全景