学業や仕事のためにソウルに住んでいたものの、結婚や出産について考える時期になると家賃の高さからソウルを離れる決心をする若者が多い。ソウルより安い新居を求めたり、あるいは子どもが生まれてもっと大きな家が必要になるなど、「住宅」や「家族」を理由にソウルからキョンギ(京畿)・インチョン(仁川)地域に移住する人口は年々増加しており、昨年だけで約20万人に上る。
このようにソウルの高い住居費は夫婦が出産をためらう最大の理由となっている。統計庁によると、ソウルに住む新婚夫婦のうち住宅を保有していない世帯の割合は64.9%で、住宅を保有していない新婚夫婦の半分以上(57.4%)は子どもがいないのに対し、ソウルに住宅を保有していて子どもがいない新婚夫婦の割合は46.3%だった。
そこでソウル市は、少子化対策のための「誕生応援ソウルプロジェクト」の新たな「住居」政策の一つとして、子どもが生まれた住宅非保有世帯に最大2年間、住居費を全国で初めて支援すると明らかにした。市が最近発表した「1人自営業者・フリーランサー出産給付支援計画(4月22日)」*に続く破格の少子化対策だ。
* 本人または配偶者が妊娠・出産した1人自営業者・フリーランサーを対象に出産支援金を支給
「出産した住宅非保有世帯に対する住居費支援事業」は社会保障制度の新設に関する保健福祉部との協議や条例改正などの事前手続きを経て、2025年から施行される予定であり、市は本政策の施行によって年間約10,000世帯が住居費の支援を受けられるものと見込んでいる。
※出産・育児支援ホームページ(韓国語) : https://umppa.seoul.go.kr
「出産した住宅非保有世帯に対する住居費支援事業」のポスター