ソウルが、革新技術を保有する全世界の企業・大学・研究所の技術とアイデアを競う場となる。ソウル市は、多国籍のグローバルイノベーターの競争を通じてソウルが直面している都市問題の革新ソリューションを見出す、国際競争型R&Dであるソウルグローバルチャレンジを開始する。
競争型R&Dは、一つのテーマをもとに多数の研究機関が競争し、中間評価を経て一部が脱落し、最終結果を導き出す方式が用いられる。スポーツ競技のトーナメントやサバイバルプログラムの競争方式に類似している。最近、人工知能(AI)、ブロックチェーンなどの第4次産業革命技術に対する需要が増加するにつれ、世界の主要国は従来の単一テーマや単一研究機関R&Dの殻から抜け出し、革新技術との融合・複合を通じた開放的・競争型R&Dへ転換する傾向を示している。ソウルグローバルチャレンジは、韓国の自治体の中ではソウル市が初めて試みるものだ。
ソウルグローバルチャレンジは、市民の需要が多く難易度の高い都市問題をソウル市がチャレンジ課題に提示すると、全世界の企業・大学・研究所などがこれを解決するための製品・ソリューション・試作品を開発して競争し、段階別評価を通じて選ばれた優秀製品・ソリューションには研究費用が支援される。最終優秀製品・ソリューションはソウル市が公共購入し、市政に適用される。
特に、この課題で地下鉄、トンネル、ハンガン(漢江)橋梁などのソウル市政現場は、試作品とソリューションの性能・効果を試験して事業性を検証できる「テストベッド」として公開される。優秀なアイデアに対しては、試作品を製作できる開発費用も支援する予定だ。
ソウル市は、ソウルグローバルチャレンジを一回限りの短期プロジェクトではなく、持続可能な都市問題解決のための常時プラットフォームとして運営して、毎年新しいソリューションを導き出し、ソウル市民の暮らしの質向上に貢献していく計画だ。ソウルの革新産業エコシステムが、全世界の先端企業と人材が交流・協業し、革新的な都市問題解決ソリューションを開発するテストベッド都市として定着することを目標としている。
このような内容で新しく始められるソウルグローバルチャレンジの第一チャレンジ課題は、ソウル地下鉄におけるPM2.5削減方法の導出だ。賞金総額7億5千万ウォン規模で、2020年2月までの6か月間実施される。
ソウル地下鉄は市民の日常と密接につながっている公共交通機関であり、このような地下鉄のPM2.5を削減できる革新的な方案を導き出すことを目標としている。ソウル地下鉄は、一日平均725万人が利用するソウル市民の重要な生活空間だが、地下施設のため自然換気が難しく、密閉空間による空気質管理に困難を抱えているのが現状だ。
ソウルグローバルチャレンジ2019-2020は、すぐに現場で活用できる最高の革新技術の発掘を目標とするものである。企業、大学、研究機関、産学研コンソーシアム、大学生、個人など、地下鉄PM2.5削減技術を持つ者なら、国籍を問わず誰でも参加できる。
▴地下鉄トンネル ▴プラットホーム ▴電車の計3つの空間のうち一つを選択し、当該空間のPM2.5を削減できる製品やソリューションを提案するという内容で実施され、計2段階の評価を経て優勝者を選抜する。
まず、1段階として、各チームが提出した提案書に対する書類評価と面接で対面評価を実施する。1段階評価を通過した製品とソリューションは、2段階で実際に地下鉄トンネル(6号線ヒョチャンゴンウォン駅など5駅)とプラットホーム(6号線イテウォン駅など10駅)、電車内部(2号線)をテストベッドとして活用し、PM2.5削減効果の検証を行うことになる。2段階評価では、現場評価と同時に地下鉄PM2.5に対する教育を予め履修した市民評価団による評価も実施される。
関連分野の専門家で構成された評価委員会は、1次・2次評価結果で削減効果、経済性、技術革新性、設置適合性、実効性などを総合的に評価して最終優勝チームを選定する。総合優勝した1チームにはソウル特別市長賞とともに5億ウォンの賞金が、準優勝した1チームには賞状と1億ウォンの賞金が、空間別(トンネル、プラットホーム、電車)優勝の各チームには賞状と賞金5千万ウォンが与えられる。
ソウル市は、「ソウルグローバルチャレンジ2019-2020」を通じて検証された優秀な製品とソリューションを公共購入してソウル地下鉄にすぐに適用し、地下鉄の空気質改善分野における技術優位獲得を目指している。「ソウルグローバルチャレンジ2019-2020」への参加を希望するチームは、2019年9月9日から11月22日まで、「新技術受付所(
www.seoul-tech.com/seoulglobalchallenge)」を通じてオンラインで提案書を提出すると受付できる。
なお、2020年に開催される第2回「ソウルグローバルチャレンジ(2020-2021)では、「ソウル地下鉄におけるPM2.5削減方法の導出」という同じチャレンジ課題で、新しい革新アイデアと技術を開発するチャレンジを推進する。1年間以上の十分な準備期間と試作品開発に必要な経費、作業空間、メンタリングなどが支援される予定だ。