- 2007年から年2回発表される世界金融センター指数(GFCI)でソウルは25位…グローバル金融競争力アップ
- フィンテック市場での競争力は18位(9ランクアップ)、未来に浮上する可能性が高い都市6位など成長可能性に評価
- ソウル市、汝矣島(ヨイド)の金融センターでフィンテックスタートアップ企業を育成。現場中心の金融人材の育成に向けた集中的な投資が奏功すると期待
ビジネス環境・金融産業の発展・インフラ・人材などの項目を評価し、世界の主要都市の金融競争力を算出する代表的な指数である「世界金融センター指数(GFCI)」。このGFCIランキングで、ソウル市が121都市の中から25位となった。
GFCI(世界金融センター指数)指数
・定義:年2回(3月・9月)公表、世界の108都市に対する金融競争力を評価してランキングを決める指数(2007年~)
・主管:英国のZ/Yenグループ・中国総合開発研究院(CDI)が共同主管
・評価指標:5大評価項目(人材・企業環境・金融産業・基盤施設・評判)とインターネット上のアンケート調査
これは、33位だった2020年3月の発表に比べると8ランク上がった結果で、36位だった2019年9月の発表に比べると11ランク上がった数値だ。ソウルは、金融機関の地方移転が本格化した2015年を機に2019年の36位から下がったが、その後、地道に上昇傾向に転じている。上位にランクインした都市には、金融先進都市のニューヨークが1位、ロンドンが2位となり、上海(3位)と東京(4位)が続いた。
新型コロナウイルスの感染拡大で、121都市の全体平均スコアが今年の3月に比べて6.25%(41ポイント)下落した中、ソウルは評価水準を維持できたため、国際競争力を高めることができた。特にソウルは、フィンテック市場での競争力部門で121都市のうち18位となり、未来に浮上する可能性が高い都市部門では6位となった。未来に浮上する可能性が高い都市部門でソウルが6位となったが、この部門は今後2~3年以内に現在よりもっと重要な位置を占める可能性が高い都市を意味するランキングだ。ソウルは、10位の香港や15位のニューヨークに比べて、さらに良い評価を受けた。
ソウル市は、金融センターの「汝矣島」に「ソウルフィンテックラボ(100社の企業、1000人が常駐できる韓国最大規模のフィンテックスタートアップ育成機関)」、「デジタル金融専門大学院(汝矣島の金融センター内に初めて開館)」、「ソウル市国際金融オフィス(国内外の金融機関を誘致するために作っている)」など金融競争力の強化に向けて投資に力を入れている。
ソウル市のキム・イスン経済政策室長は、「世界経済がパンデミックによる急激な経済低迷という危機状況に直面している中、これまでソウル市が推進してきたアジアにおけるフィンテックの中心地の育成及び金融中心地の活性化戦略が成果につながっている。混沌と不確実性が共存する時期ではあるが、コロナ禍に対応するため非対面・デジタル方式の金融革新に向けて集中的な支援を行い、金融センター内の国内外の金融機関の誘致及びネットワーキングを通じて、ソウルの金融競争力を高められる機会にしたい」と述べた。