ソウル市は、ポストコロナ時代におけるソウル経済の主役としてスタートアップに注目し、特別な支援対策である「3大育成戦略」を提示した。ソウルの有望スタートアップが、前例のない危機と急変している産業の中で未来市場を先取りできるようサポートする計画で、計1,750億ウォンを果敢に投資する。
バイオ・医療産業、フィンテック・ドローン・ロボットなどのアンタクト(非対面)産業を二大戦略産業に設定し、集中的に支援する。また、支援ターゲットを、初期の創業段階を超えた「成長期スタートアップ」に明確化した。
ソウル市は、「3大育成戦略」を通じて見込みのある有望スタートアップ100社を選定して、製品化から販路開拓、知識財産権の出願まで、1企業当たり1億ウォンの「成長促進総合パッケージ」を支援する。1企業当たり最大7名まで、計1万名に対する技術人材人件費も5か月間一時的に支援し、コア技術開発人材の雇用の安定化を図る。
また、成長期のスタートアップ専用ファンドを、計1,150億ウォン規模に組成する。1企業当たり最大30億ウォン以上を投資して、高度成長を続けているスタートアップが新型コロナウイルス感染症の衝撃によって早期倒産するのを防ぐ。
ソウル市は、このような多角的な支援を通じて、潜在成長力は充分だが、一時的な投資の壁や資金委縮によって企業が立ち止まることがないよう支援することを明かした。更に、企業価値1千億ウォン以上のNEXTユニコーン企業へと成長する段階まで集中的にサポートして、中央政府による支援まで連携する土台の役割を果たす。
<中小ベンチャー企業部のNEXTユニコーン支援制度>
✓ NEXTユニコーン:ユニコーン企業へと成長できる企業価値1,000億ウォン以上の企業
※ ユニコーン企業:企業価値1兆ウォン以上の企業 (2020年現在:韓国計10社/ソウル所在8社)
✓ 事業沿革:2019年4月に導入、現在計27社(ソウル所在20社)を選定 (15社を追加選抜中)
✓ ファンド支援:成長段階にあるスタートアップのユニコーン企業への発展に向けてジャンプアップファンド1兆ウォンを組成
✓ 融資支援:赤字の有無など財務成果にかかわらず最大100億ウォンまで特別保証
「3大育成戦略」は、①スタートアップ技術人材1万名の人件費支援(500億ウォン)、②有望スタートアップ100社に1億ウォンの成長促進総合パッケージ支援(100億ウォン)、③新しいファンド組成により機会を先取る投資(1,150億+α)となっている。
1 スタートアップ技術人材1万名の人件費を支援(500億ウォン)
第一に、グローバルスタートアップの74%が従事者の減員を実施するなか、ソウル市は技術開発分野の人材の雇用安定と新規採用を活性化するため、約2千社の有望スタートアップに対して、計1万名の技術人材人件費を支援する。
企業規模に従って3名から7名まで5か月間、一人当たり計500万ウォン(1人当たり月100万ウォン)の支援を受けられる。ソウル市は、早ければ7月中にソウル産業振興院(SBA)内に申請のための専用窓口を開設し、迅速に支援を進めていく計画だ。
2 有望スタートアップ100社に対する1億ウォンの成長促進総合パッケージ(100億ウォン)
第二に、「成長促進総合パッケージ」とは、NEXTユニコーン(企業価値1,000億ウォン以上)への潜在成長力がある有望スタートアップを選定して、各企業が必要とする多様な支援を選択して受けられるよう支援する制度だ。
- (事業開発) 大学・大企業などとの技術R&D、事業高度化・製品化・量産事業費など
- (販路開拓) Amazon(米国)・楽天(日本)などのオンラインプラットフォーム出店、広報・流通分野など
- (技術獲得) 知識財産権の出願・登録、海外現地のIR・アクセラレーションへの参加など
3 成長期のスタートアップ専用ファンドを新しく組成(1,150億ウォン+α)
第三に、優秀な技術を保有しているが、突然の経済ショックによって適期に投資を受けられず倒産するのを防ぎ、機会の先取りに投資するため、成長期のスタートアップ専用ファンドを新しく組成する。SBA基金などを活用して、時価115億ウォン(SBA投資基金15億、革新創業ファンド100億)を出資し、民間金融会社などから出資を受けて、計1,150億ウォン以上を投資する。