- ソウル市内のマウルバス全路線(235路線、1,499台)に公共Wi-Fi完備、広域自治体では韓国初の試み
- 市内や広域バス・フクロウバス・リスバス など、今年6千台に設置…来年は100%整備へ
- ソウルで市内・マウルバスを利用するソウル・首都圏の市民約700万人の通信費軽減効果期待
- 2020年までに大型公園24か所、2022年までに福祉施設1,289か所に公共Wi-Fi完備、情報格差の解消と通信福祉の向上図る
11月20日からソウルを走る全てのマウルバス*で公共Wi-Fiが無料で使えるようになる。オープン型の「PublicWiFi@Seoul」またはセキュリティ保護型の「PublicWiFiSecure@Seoul」のうちいずれかを選択してアクセスすれば使用できる。全てのマウルバスに公共Wi-Fiを設置するのは自治体としては初の試み。来年からは市内バスを含めフクロウバス**、リスバス***、広域バスでも公共Wi-Fiが100%整備される予定。走行中のバス車内で誰でも簡単に無料Wi-Fiが使えるようになる。
ソウルで市内バス、広域バス、マウルバスを利用するソウルおよび首都圏の人口は、一日平均約700万人(ソウル市内バス:一日平均577万人、マウルバス:一日平均118万人)。無料Wi-Fiが導入されることで、今後は通信費の負担も軽減されると見込まれる。
ソウル市は20日(水)、マウルバスの全路線(235路線、1,499台)と、市内バスおよび広域バスの81%(7,399台中6千台)に公共Wi-Fiの設置を終えサービスを開始すると発表した。現在マウルバスは、全路線にWi-Fiが完備されている。市内バスと広域バスは、科学技術情報通信部と韓国情報化振興院が共同で整備を進めており、来年には残りの1,399台にも設置し100%導入を完了する計画。
※ マウルバスのWi-Fiアクセス:オープン型の「PublicWiFi@Seoul」またはセキュリティ保護型の「PublicWiFiSecure@Seoul」のうちいずれかを選択して使用。オープン型Wi-Fiは 、利用者が安全かつ快適に利用できるよう、全路線のWi-Fi SSID(アクセスポイントの識別名)を統一した。初回利用時に設定すれば、次回から全てのマウルバスで自動的にアクセスできる。
※ 市内バスのWi-Fiアクセス:オープン型の「PublicWiFi@Bus_Free_(路線番号)」またはセキュリティが強化された「PublicWiFi@Bus_Secure_(路線番号)」のSSIDのうちいずれかを選択して使用。
<情報格差の解消に向け、福祉施設やコミュニティ空間348か所に公共Wi-Fi設置を完了>
ソウル市は、情報弱者がよく利用する総合社会福祉館、高齢者福祉館、障がい者福祉館、青少年休憩センターなど市内の348か所の福祉関連施設にも今年公共Wi-Fiを追加設置した。既存の施設91か所に加え、現在合計439か所の施設でサービスを提供している。
市は2022年までにソウル市内の福祉関連施設1,289か所に無料Wi-Fiを設置し、市民間の情報格差を解消する狙い。
※ 福祉施設における公共Wi-Fi設置状況および計画
福祉施設における公共Wi-Fi設置状況および計画
|
合計 |
2018年 |
2019年 |
2020年 |
2021年 |
2022年 |
施設数(か所) |
1,289 |
91 |
348 |
300 |
300 |
250 |
AP設置数(台) |
4,960 |
360 |
1,200 |
1,200 |
1,200 |
1,000 |
所要予算(百万ウォン) |
9,255 |
563 |
2,028 |
2,184 |
2,328 |
2,152 |
ほかにも、バスを待ちながらWi-Fiを利用できるよう、来年上半期までに中央バス専用車路の全停留所358か所にも公共Wi-Fiを整備する。
<2020年までに汝矣島公園、南山公園などソウル市内の10万㎡以上の大型公園24か所整備>
日常生活でも市民が自由にWi-Fiを使えるよう、公共Wi-Fiの設置も拡大する。汝矣島公園や南山公園、文化備蓄基地などソウル市が管理する10万㎡以上の大型公園24か所にも、2020年までに公共Wi-Fiを構築すべく現在設計作業が進められている。
公共Wi-Fiの構築および拡大は、誰でもソウルのいたるところで無料Wi-Fiを使える「フリーデータシティ」の実現を骨子とした「スマートソウルネットワーク(S-Net)推進計画」の一環。市は、2022年までにソウル全域の公共空間にWi-Fi端末機器16,330台を追加設置し、市民の通信基本権を全面的に保障するとともに、スマートシティインフラを完成させるとしている。
※ 公共Wi-Fi AP(端末機器)設置計画(2019年~2020年)
(単位:台)
公共Wi-Fi AP(端末機器)設置計画(2019年~2020年)
|
合計 |
11年~18年 |
19年 |
20年 |
21年 |
22年 |
合計 |
42,474 |
12,205 |
8,707 |
7,507 |
8,305 |
5,750 |
市全地域 |
25,688 |
9,155 |
203 |
4,475 |
7,105 |
4,750 |
福祉施設 |
6,961 |
2,361 |
1,200 |
1,200 |
1,200 |
1,00 |
マウルバス |
1,499 |
– |
1,499 |
– |
– |
– |
市内バス |
7,399 |
270 |
5,730 |
1,399 |
– |
– |
バス停留所 |
508 |
150 |
0 |
358 |
– |
– |
市営公園 |
419 |
269 |
75 |
75 |
– |
– |
一方、ソウル市はSSIDの統一やログイン認証の簡素化など、公共Wi-Fiサービスの品質管理および運営基準の策定を進めている。公共Wi-Fiの設置主体(市、区、通信会社)が多岐に渡りメンテナンスシステムが統一されていないために発生する、電波干渉、途切れ、複雑な認証プロセスなどによる不便さを解消していく計画だ。
ソウル市のイ・ウォンモクスマート都市政策官は「ソウルは、グローバルスマートシティの実現に向けて努力しているが、増え続ける家計の通信費や情報格差は看過できない問題」とし「ソウル市民の足である市内バスやマウルバスなど日常生活に密接した公共空間では、通信費を気にすることなく気楽にスマホなどを利用できるよう、市民の通信基本権を拡大していきたい」と話す。